2013/02/13

あきらめない心は育つ

作業療法士にとって必要な資質とは何でしょうと問われたら,
あきらめない心です,この心はある経験で成長します.と答えています.
九州の緩和ケア病棟で働く,友人の作業療法士から届いたメールを紹介します.



「元気な頃はアフターファイブで喫茶店通いを毎日していた」という方がおり、
「コーヒーが飲みたい。おいしいコーヒーが飲みたいから、豆から挽きたいな~」
と言われたので、リハの時間に豆を挽いてコーヒーを淹れていました。

自分が飲みたいのではなく「みなさんに飲ませてあげたい」と、
スタッフにコーヒーを淹れ、とても満足されているようでした。
以前からいろいろ話をしていますが、新しい発見を期待してADOCで評価しました。


「これはな~に?こんなものまで出して。
私のことを知ろうとしてくれることが、嬉しいな」
とっても良い表情をされました。


「私の尊敬する作業療法士の方々が開発されたんですよ」とお伝えすると、
「こんなに良いものを作って頂いてありがとうござい ます、と伝えて。
話を聴こうとする姿勢がうれしいね」と語られました。

「これは絵があるから思い出すな~」とADOCの操作を進めながら、
コーヒー以外にもいろいろな作業を選択し、
意味と価値のある作業について語ってくれました。

ADOCに関しての意見でiPadで冷たい印象があると意見もあると聞きましたが、
使うのが人間である以上、
ADOCは想いを引き出したい時に良いツールだと思いました。






どうすれば,あきらめない心が育ちますか,とか
どうやれば,圧力や無関心に負けない心になれますか,とか,
どうやって,行動力と決断力を身につけますか,とよく聞かれる.

周囲の人が盛り上げて,自分がやりたいように準備してくれて,
思う存分にやりたいことをやっている人は,ボクの周りにはいない.
彼ら,彼女らはどんな状況でも,まずやってみる人たち.



いきがいのまちデイtanakaさん鳥取のharadaさんにボクがずっと伝えたことは,
「死ぬほど怖い人に,死ぬほど怒られても,それで自分が死ぬことはない.
でも,いま目の前で話している人,話せない人は明日には死ぬかもしれないね」

80代の患者さん,利用者さんにボクがずっと伝えていることは,
「平均ではあと5年くらいで死ぬかもしれませんが,
この最後の5年をどう生きたいですか」

おしつけがましさ,無神経さ,自分勝手さは罪深いかもしれないけど,
亡くなってから何もできなかったと嘆き悲しむだけで繰り返す罪に比べれば,
ため息で吹き飛ぶほど軽い.



冒頭で紹介したメールの彼女と愛弟子は,あきらめない若い作業療法士.
誰かのせいにしてあきらめたら,心が癒されるだけのこと.
クライエントと共に創り上げた価値のある経験は,あきらめない心を育てる.

やってみることで,人と環境は変わっていく.
それが前提で作業療法は存在しているんだから,間違いないハズ.
まずやってみようよ.

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