12年前から徘徊、異食行為が出現し、
その4年後に老健に入居した。さらに3年後、
それから2年後に特養ホームに入居し、1年が経過していた。
入居時の家族の希望は、
「話すことやできることは少ないが、
施設サービス計画は栄養、健康管理を行い、
機能訓練員のボクがこの8ヶ月間に実施したことは、
関節が固まらないようにベッドに寝た彼の手足を動かすことだった
それは機能訓練員に期待されている役割だったが、
3ヶ月前に家族との面談で、作業療法の説明を行い、
別の彼も離島育ちで15歳から海の男だった。
妻子と別れてからは天涯孤独となり、
7年前に特養ホームに入居した時は車いすで移動は自立していたが
ここ数年は意思疎通が困難で日常のほんとんどベッド上で過ごしてた.
12月の漁港で潮風を浴びる元海人たち&支援者たち
「これは外出行事ではありません.
家族面談と施設内のカンファランスに基づいて計画的に行われた
個別支援です.作業療法です」
「看護師と介護士のみなさんが一生懸命に関節が固まらないように,
皮膚を傷つけないように生活を支援してきた結果であり,
これからの目標と目的になるはずです」
「手足の関節は今までと同じくらいの角度しか動きませんが,
本人の心や気持ちは動いたかもしれません.
そして,家族が声に出して成果を与えてくれるだろうと思います」
ネギトロを口から食べてもらった時には,
さすがに看護師は強い戸惑いを表したが,決して止めはしなかった.
見ないふりをしてくれた.
1人の介護士を同行させるために,
介護チームは忙しい中でどうにか業務を調整してくれた.
入職して8か月が経過したが,先週になってようやく
ボクが作業療法だと思える仕事ができた.
「これはチームで決めた個別支援です.
これが始まりです.残り98人分の個別支援を半年かけて行います.
なるべくみなさんの業務に支障をきたさないように計画しますが,
もし協力を依頼したい時は前もって連絡しますので,協力の検討をお願いします」
何をするかよりも,なぜするのか.
はっきり見えていれば,
次の一歩を踏み出そうと思えるかもしれない.
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