ページ閲覧数

2011/07/01

結びを育む花  Flower that raises relation

ブログいつも読んでます、留年した人ですよね、
と声をかけて頂きました。
あぎじゃびよぉ・・・えぇ、私です。


とりあえず歩行訓練をちゃんとしてください、と
スタッフに指示されました。
それは何故ですか、と私は尋ねました。
入居者が希望しているから、と返ってきました。

あなた達が私に期待していることは何でしょうか、と
本人と家族に尋ねました。
歩行訓練をして欲しい、と返ってきました。


完全に1人で、転倒の危険なく安全に、昼夜を問わずにいつでも、
歩けるようになる事は難しいと私(OT)は考えています。
車いすで移動する方が安全で楽で確実だと思いますし、
そうやって車いすで移動しても、できるようになりたいことは、
できるかもしれないと私は思っています。

さて、できるようになりたいことは何でしょうか。
特にないから、とにかく歩く練習をして欲しい、と返ってきました。


私は、例の評価ツールを使うことにしました。
私はiPadを彼女に向けて画面を見せながら、
ここに描かれた何かすることが描かれたイラストの中で、
あなたがやりたいこと、できるようになりたいこと、うまくやりたいこと、
期待されていることがあれば教えてください、と伝えました。


数日後、特養ホームの初回カンファレンスに本人と家族が同席しました。
他に介護士、ケアマネージャー、相談員、看護師、栄養士が参加しました。
彼女が歩行訓練を強く希望していることは、参加者全員が知っていました。
私はまず、全員がいる前で彼女と家族の要望を確認しました。
何もやることがない、とにかく歩行訓練がしたい、と彼女は伝えました。

私は例の評価ツールから印刷した紙を取り出して、
参加者全員が見えるように机の上に置きました。


ADOC

あなたは、歩けるようになりたい、トイレができるようになりたい、
車いすの乗り移りができるようになりたい、と教えてくれました。

自宅ではとても難しかったのに、今は少しできるようになっています。
これはリハビリを頑張ったからというよりも、
介護士があなたの能力を最大限に生かした生活支援をしているからです。
オムツは使わずにトイレに誘導してくれるので、
1日に何度も起きて、乗り移って、立ち上がって、立つことを保ち、
ということを繰り返してきたからです。

この生活を続けることが、あなたの望みを叶える手助けになるでしょう。
歩行訓練よりも効果的で、効率的な身体の訓練になっています。
それでも平行棒歩行や歩行器歩行を強く望むなら、提供します。
でも目標は、はっきりさせましょう。
歩くことは目標ではなく、手段です。


あなたは、ランの花を育てることが大切だと教えてくれました。
工夫と練習をすることによって、それはあなたにできることだと思います。
ご家族が自宅にあるランの植木を持ってくるというのはどうでしょうか。

その植木をあなたが自分の責任で、自分の身体と経験を使って育ててください。
ランの植木を育てることは、あなたにとって趣味であり、
今のあなたと自宅にいた頃のあなたを結びつけることであり、
身体と頭と心をあなたが思うように使うことを、手助けすると思います。


そしてあなたはもうひとつ、できるようになりたいことを選びました。
家族とのつながり、結びつきです。

家族と一緒に育てることもいいと思います。
花が咲いた時に、離れて暮らす手渡したい家族に贈るのもいいと思います。
それは花を育てながら、あなたが自分で考えて決めてください。
あなたが選んだ選択が、あなたにとって一番いい選択だと思います。


歩行訓練はその目標を実現すること、継続するための手段として、
これからも続けていきましょう。
車いすに乗ったり、移動したり、遠くに手を伸ばすために必要な、
身体の能力を維持させる働きがあるかもしれません。


植木を置く場所や、水をあげる道具、水を入れる場所、
それに伴う移動については、介護士や家族の方と相談して決めましょうよ。

最終的には、ランの花に水をあげるなどの世話を1人で、
やりたいと思う時に、やりたいと思うような方法で、
できるようにしましょう。一緒に、できる方法を考えましょう。
ランの花を育てることに関してはあなたが詳しいので、一緒に考えましょう。


届きました。

ここは確かに施設ですが、
あなたが暮らしてきた自宅と同じような場所だと思ってください。

やり方は違っても、あなたがやりたいと思うことができる場所です。
自宅と同じようものだと思って、思い描くように暮らしてください。

今ここにいる全員が、それを望んでいます。
それがあなたのリ・ハビリテーションです。

2011/06/29

希望の連鎖  Chain of hope

あなたが琉球オジさんですか、と尋ねられて、
そうです、私が琉球オジさんです。と答えたのは3日前のこと。

3月11日に書いた日記を思い出していた。


yui-maru


大切な友人らが心配だった。
次に、想像した。
大切な友人らにとって、大切な人が傷ついたり、
悲しい思いをしていたら、
大切な友人らも、きっと傷ついたり、悲しむ。

さらに、大切な友人らにとって大切な人の、
大切な人たちが・・・。
どこまで行っても、ボクにとって大切な友人らにつながる。

悲しみ、苦しみ、痛みは、連鎖する。




でも、
大切な友人らの大切な人たちが、
喜び、誇り、希望を感じることができれば、
ボクにとって大切な友人らも、同じようになる。

喜び、誇り、希望もまた、連鎖する。

先日、埼玉で開催されたOT学会で友人らに出会った時、
そのことを確かめようとしていた。
ひとりひとりが選択した言葉と行動が、
どこで、誰と、どのようにつながっているのか、
イメージしようとしていた。

それぞれの気持ちが、
化学反応を起こして変化しながら連鎖していくようすを、
感覚を研ぎすまして確かめていた。

そこには喜び、誇り、希望の存在を感じた。
それはすぐに、次の人へと紡がれつつあった。
希望には、互いを引き込み合う力があるみたい。


ADOC


苦しい時にがんばってきた希望は、
しっかりと自分で歩いていく。

2011/06/19

特養ホームのOTとADOC ADOC and OT and nursing home

先日、沖縄の特養ホームに所属する機能訓練員部会の研修会で、講師を担当させていただいた。参加者はほとんどがベテランと呼ばれるほどの年齢で、半分はPTとOT、半分は看護師や介護士だった。



これまで出会った特養ホームのOTは、機能訓練に専従するか、レクに専従するかに二分されていました。機能訓練に専従しているOTはレクをやらなければと焦り、レクに専従しているOTは機能訓練をやならければと焦っているみたいでした。でも大切なことは、何をやるかよりもなぜやるのか、だと思います。

「実現可能なできるようになりたい何かすること」が明確でなければ、結局は同じように悩むだけだと思います。本当にクライエントにとって何か役に立っているだろうか、他の職種のお手伝いをしているだけじゃないかと、不安になると思います。「何かすることに焦点を当てた目標」を明確にして支援をすることは、クライエントだけではなくOTにとっても自分が望む自分らしさに近づくための手助けになるんじゃないかと思っています。それはOTだけではなく、PTもSTも柔道整復師も介護士も看護師も同じだと思っています。

名前を伏せたら誰だかわからない計画書を書いて、不安を抱くのは私だけでしょうか。そうじゃないと思います。私たちが病院に勤めていれば、機能回復を目標にすることは、時に正しい選択だと私も思います。でも、どんなにがんばっても完全に正常になるわけでもなく、身体機能の低下を永遠に完全に予防できるわけではありません。

私は、入所して初めてのカンファレンスで本人と家族に伝えています。

「機能訓練を続けても、完全に機能の低下を防ぐ事は困難です。週に2回、1回で15分程度の機能訓練よりも、残りの23時間45分、週に5日間の過ごし方が大切です。その点は、介護士に任せてください。必要以上に介護をしない仕事をしています。この点は私が保証します。こんな説明をする私は、機能訓練がやりたくないわけではありません。確かな必要性があれば、必要なだけ提供します。しかし、もっと価値のあることに時間とエネルギーを費やしてもいいんじゃないかと思っています」と伝えています。

あきらめたことを、できるようにするための支援は、実現できると思います。その支援を私たちが全員に、毎日、提供することは現実的ではありません。しかし、身体と精神の能力がある程度あれば、本人が自分の意志と身体を使って日常的にできるようになるかもしれません。いわゆる寝たきりの方でも、家族がその支援をできるようになるかもしれません。もちろん、私たちも週に2人くらいであれば、業務に支障なく実施できるはずだと思います。




毎日、関節を動かす事が、体操をすることが、レクリエーションをすることが、絵画や手芸をすることが、ムダとは言いません。でも、それは提供して効果がある場合に限ってもよいのではないかと思っています。そうでなければ、いつか必ず私たちは迷います。

仕事をやるほどに、苦しい思いをする支援者がいるのは、良いことだとは思えません。あきらめることを暗に強制される高齢者がいることは、良いことだとは思えません。互いの望む自分らしさに近づけるための、仕事のやり方があるはずだと思います。

それは、目標をはっきりさせることです。目標をはっきりさせるためには、聞く人の技術と、聞かれる人の能力がある程度は必要です。もちろん、他にも難しい理由もあります。ただし、この2点については、解決するための方法を1つ私は知っています。




それが、作業選択意思決定支援ソフト、ADOC(エードック)です。

2011/06/08

こえをかける  Greet

案内1
第9回沖縄県作業療法学会
2011年11月13日(日)

特別講師:山田孝先生
演題募集(意思確認のみ)5月16日〜6月10日


案内2
平成23年度社団法人沖縄県作業療法士会総会
平成23年6月11日(土)  午後 7時00分

正会員は必ず社団法人沖縄県作業療法士会総会にご出席ください。
事情により総会を欠席なさる場合は、
議決を委任する正会員個人名前を明記するようにし、
必ず同封の委任状を6月8日までに事務局にご返送ください。


てぃーあんだ:軟骨フーチバーそば

高校野球チームのメンタルトレーニングを担当している精神科医師に、
教えてもらったことをよく覚えている。

「エラーをするな」、「ミスをするな」

という呼びかけは絶対にしてはいけない。
言葉が耳に入ると、無意識のうちにエラーする自分をイメージする。
ダメだと思いながら、そのように行動してしまうらしい。

望ましい声の掛け方は、

「よく見て」、「しっかり捕って」

当たり前のようだけど、
エラーを誘発するような言葉を、よく考えずに選択していることに気づく。
とくに、クライエントと練習している時、子供を注意する時、学生指導の時。

いつも意識しているつもりなのに、ついつい出ちゃうんだよね。
そんな時の自分に対する言葉かけも選ぶ。


「〜やるなと言わないこと」じゃなくて、
「どういう状態になればいいのか、イメージできるように話してみて」


案内だけでは寂しいかと思って小話を入れてみたけど、
着地点を見失ってオロオロしているので、今日はここまで。