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2012/12/09

Mission of ADOC




Meaningful occupation,大切な作業


日常では埋れているが,誰にでも必ず存在する.

彼らが大切な作業を発掘した時,
ボクは初めて譲れない意志を持った.

彼らが大切な作業の実現に向けて動き始めた時,
ボクは初めて作業療法の楽しさを知った.

彼らの大切な作業が実現した時,
ボクは初めて
作業療法士としての自分を誇れるようになった.

それが今まで埋もれていた,
ボクらにとっての Meaningful occupation "大切な仕事"

"大切な仕事"は"大切な作業"から生まれる

co-creating occupation

2012/12/05

意志の言葉

ボクがなぜあなたを呼び出したのか,
わかりますか.

「娘は親の私に向かって,
あんな言葉を使ったのよ.
しかも手も出したのよ,私は車いすに乗っているのに」

娘さんがそうならざる得なかった,
理由はなんだと思っていますか.

「私があんたとかに手を出したと言うんでしょ.
でもね,私にだって言い分があるのよ」

ボクはその言い分を聴きたいんですよ.


「私が人にお願いする時はね,
ほんとうに身体がキツいからなのよ.
そんなこともわからないでね,
自分でやりなさいって言う人がいるじゃない」

できる時もあるから,
できると思っていたかもしれません.

「私のキツさは,見せたいけど目に見えないのよ.
それなのに私の話も聴かずに,
自分でやりなさいって言うじゃない」


「私にとっては,石をぶつけられたのと一緒.
言葉じゃないのよ,石よ.言葉も態度も同じ,あれは石.
石を投げられて,痛いのよ.
それで我慢しなさいって言うのは,おかしいでしょ」


「私に石が投げられたのも,
私が石に当たって痛いと思うのも,
私にしかわからないことなのよ」


「私がひどい言葉や手を出すのはね,
石を投げられたから,石を投げ返しただけよ.
そうじゃなきゃ,気が済まないじゃない」


「そんな私に向かって娘は,なんて言った?
昔はこんな人じゃなかったのに,
なんでこんな人間になったんだ,って怒ったよね」

「私だって自分がわからないわ.
私はこんな人間じゃなかった.
どうしてこうなったのか,わからないのよ」


「こんな時こそ,家族なら助けてくれるんじゃない.
戦争中,あの子が小さくて,手がかかって,
私も大変だったのに,連れて船に乗ってきたのよ」



「あんな子,あの時に捨てればよかった.
そう言ってやりたかった.捨てればよかった」



それはあなたが最後まで取っておいた,石だね.
一番大きくて,一番固い,石でしたね.

でも,投げなかった.

投げたら気持ちよかったでしょうに.
とても気持ちよかったはずと,知っていたのに,

でも,もしあなたがその石を投げたら,
あなたはひどく傷ついたでしょうね.
後悔して,でも謝れなくて,ずっと苦しんだでしょう.

それでもなりふり構わず,
石を投げることができたのに,しなかった.
あなたは,そのことを誇ってもいいと思う.
ボクにはできなかったと思う.ボクなら投げてしまう.


あの後ね,ボクのところに娘さんから電話があったよ.
ひどく後悔しているって,声に出して泣いていました.

私の知っている誇らしい母親が,
私には理解できない言葉や行動をしていることを,
とても受け入れることができなかった,と話していました..

ボクはね,それは本人が一番気づいているし,
だからこそ苦しんでいるですよって伝えました.
忘れてしまうことや,うまくできないことがあったり,
我慢することが難しくなったのは,
彼女の意思ではありませんよ,と伝えました.


あなたが,石の言葉を投げなかったのは,
あなたが選んだ強い意志なんだと思う.

抑えきれない気持ちを抑えて,
家族を大切にしようという意志なんだと思う.


ボクはそれを,あなたが誇っていいことだと思った.
あなたも気づいているように,あなたは昔とは少し違う.
でも,変わっていないこともあるんですよ.
それはあったけども,今までは見えなかったんですよ.


そういう意味で,
あなたが娘さんと一緒にあなたの変わっていない,
誇れることを発見できたっていうのは,
家族を大切にしたいという気持ちを確認できたのは,
いいことだったかもしれません.



ボクの仕事はね,作業療法士っていうんですけど,
あなたのそういうところを見つけやすくして,
大事にできるように手伝うことです.

変わらないといけないことを,無理に変えようとするんじゃなくて.
あなたが希望していて,変えることができることは変えますけど,
あなたが誇れることもたくさん探しましょう.

あなたの隠れた意志を言葉にして,
ADOCであなたが語った言葉に意志を込め,
職員と家族に伝えることがボクの仕事です.

そうすれば必然的に,
あなたの意志が示した人生を歩めるように,
あなたも家族も私たちも動き始めるでしょう.

2012/11/17

第10回沖縄県作業療法学会は最高だった

ボクらは上手くいこうが、失敗しようが、どっちでもいい。
背中を見てる後輩の気持ちが折れないように、歩み方を意識してる。
ボクなんてまだ若いクセに。でも、大事にしたいことなんだよね。


情熱と愛とユーモアに溢れる10回沖縄県OT学会のスタッフミーティング!
 @ 浦添市てだこホール




第10回沖縄県OT学会・特別企画
「クライエントが語る作業療法の魅力」
いきがいのまちデイ田中さんと利用者が作業ストーリーを語る


在宅はムリと医師に宣言された利用者が、
いきがいのまちデイで取り戻した自分らしさ。涙が止まらない。




いきがいのまちデイ利用者が片手でサンシンを弾く姿をみて、
自分もできると強くイメージできた、と利用者が語る。
それが作業を再び始めようと思ったきっかけ、と。


いきがいのまちデイ田村代表が語る、
片手でサンシンを弾く自分を取り戻したクライエントのストーリー。
何十回観ても、涙がいつまでも流れる。

学会特別企画。
精神疾患と共に生きるクライエントが作業療法の魅力と可能性を語る。
「私を人間として関わり支援するOTが生きるエネルギーの源」
司会はNPO団体コミッと、坂元OT。


精神科病院が私を社会から剥離させた。
社会とつながろうとイメージするから、妄想が強くなった。
閉じ込めないで、地域とつながれるようにサポートして欲しい。




いきがいのまちデイ「マラソンへの想い」
10回沖縄県OT学会ランチョン企画、OTムービーコンテスト




10回沖縄県OT学会ランチョン企画、OTムービーコンテスト。
さて、ADOCショータイム!





重要な作業に焦点をあてることで自信の回復につながった事例
-ADOCの使用経験から- いきがいのまちデイ金武、仲宗根OT

ADOCの面接により、友人と遊ぶ自分を取り戻したいと
思っていたことをクライエントが発見した。




老健における「意味のある作業活動」についての取り組み
-ADOCの使用経験- かりゆしの里、上地OT

老健のOTが若い利用者に、
「リハ目標はなぜトイレ動作の自立でしょうね」と尋ねた。
病院のOTに言われたからだけど理由はわからない、と利用者は答えた。
ADOCを使って初めて、
一緒に暮らしたいと思っていた女性の存在にお互いに気づいた。




認知症デイと社協のコラボOT、
切っ手大作戦!天久台病院重度認知症デイ・アルファ、徳里OT




10回沖縄県OT学会、自主企画セミナー「認知症高齢者の支援」
OT会リーダー講師、上城憲司先生。イイね!しか言わない司会、琉球OT
認知症病棟、認知症デイで働く3人のOTによるプレゼン。

5年前にイギリスでWFOT協会長から叱咤激励、
「国から認められるように日本のOTはもっとがんばりなさい」と。
10回沖縄県OT学会企画セミナー上城憲司先生




イギリスOTの仕事は、アセスメント。生活のマネジメント。

認知症高齢者支援は家族支援とワンセット


入院、入所期間のOTは、退院援助は
入院、入所したその日から始まるという認識を持つこと。

北中城若松病院、認知症疾患型介護療養病棟の中野OT。
入院直後の自宅調査が大事!

小集団で外出し、現地で家族と合流する仕組み。
対象者と家族を離さない。結びつける。




10回沖縄県OT学会、大人の学芸会はじまり!

講演会限定バージョン10年おでん&そば。
第10回沖縄県OT学会のOTムービーコンテスト優勝しました。感謝。

日本OT協会副会長の山根先生より、これがOTの原点だ、とコメント。




学会1日目のラストはかちゃーしー、かちゃーしー!





第10回沖縄県OT学会市民公開講座、3人のDrが語るうつ病。
10年おでん&そばも流れることになりました。




生きる動機の格差。非正規雇用増大の心理的影響。

現代型うつ病の特徴は、役割への拒否。

家族は成長し、成熟し、分裂して生き延びる。
家族は永遠でないことを覚悟せよ。

うつ病デイケアで認知行動療法プログラム。完璧な自分を求めない。

うつは心の風邪ではない。心の生活習慣病。薬と休養だけではだめ。

うつはセロトニンをコントロールすればよい、という考えは間違い。
うつは人生そのものに関わってくること。



参加者は410人でした。昨日の学会は270名の参加でした。

第10回沖縄県作業療法学会
「かえていくもの、かえないもの」 -つながるチカラをカタチに-




今回はまったく新しいシステムや企画に数多く挑んだ学会だった.
その中の1つが学会発表サポートシステムだった.
ボクは学会実行委員としてシステムの導入にも関わっていたが,
研究会運営者として学会サポートにも3人の演者と関わりを持つことができた.
学会の翌日にサポートをした演者から送られてきたメールを紹介する.


「ご協力のおかげで、新たな視点を学ぶことが出来ました。
ここまで協力して頂ける先輩方がいらっしゃることを心強いと感じました。
また、発表をしようと決めたことで村上さん・上江洲さんと繋がることができ、
発表することで他OTの先輩方へと繋がることができました。
厳しくも温かくもある仲間がいるということを感じることが出来ました。
『繋がる』ということをすごく実感できた学会でした。
今回の経験を通して、私自身、成長できたと感じています」


このメールを読んで,システムの成功をはじめて実感した.
研究会を運勢する側としては,
共に学を深める沖縄のOTとつながる方法を模索し続けてきた.
県学会実行委員としては,
日々の臨床で発見したことを共有したり自信を育める場を目指した.
県士会理事としては,
OTが自己研鑽し合える機会を提供することに専念してきた.
そして一会員しては,
私も含めた700人の仲間が楽しく誇りを持って仕事ができることが夢だった.

今回の若い演者から受け取ったメールを読んで,
これまですべての時間とエネルギーが報われた思いだった.




すべての仲間に感謝し,
沖縄県で作業療法士として働くことができて,
心から嬉しく思う.




ありがとー

2012/11/13

花の作業 - 作業療法と教育 -

初めて会った時から彼は,平行棒内の歩行訓練を熱望していた.

左手足はほとんど動かず,かなり支えなければいけなかった.
歩く目標を尋ねたが,聴こえないふりを繰り返した.
車いすを駆動できるが,次の指示を待って動かなかった.
記憶が曖昧で,左方向には注意が届かず,無口という印象だった.
特養ホームでは珍しいことではないが,なぜか気になる存在だった.


ADOCを使って作業療法の目標を確認しようと決めた.






それまでは,何をやりたいのかと聴いても「別にないですよ」と答えていた.
園芸のイラストで表情が動いた.いつもは寡黙な彼の口から言葉が流れた.
「とても大切な生きがいだった」と話した.
どこで,だれと,どんな花木を,なんのために育てていたのか,尋ねた.
彼は大切にしていたことを自分の中から掘り起こすように,語り始めた.


そのストーリーに触れることは,OTにとっても大切なことだった.


「50年前に田舎から都心へ移ってから,空き地で花木を植え始めた.
子供たちと一緒に育てることが楽しかった.花は人に贈っていた.
花は愛情を持って育てることに意味があった.
花木を育てるのは夢だった.身体が治ったら,また始めたい」


「40年前,脳梗塞になった.40歳だった.5年後には職場に復帰した」


「役所の人事課で働いていた.
人を育てる過程や,育った人が働く姿をみるのが好きだった.
趣味だった無線通信士の資格も取った.コイン集めと切手収集も好きだった」


いま,やりたいと思うことで,できるなと思うことは何ですか?

「うん,花を育てることかな」


ここで生活しながら育てるための花木を,園芸店で選びましょう.
どんな花が育てやすいのか,あなたはボクに教えてください.
どこに植えればいいのか教えてくれたら,難しいことは手伝えます.
どのように育てればいいのか教えてくれたら,一緒に育てることができます.


翌週,彼は園芸店で花木について大切なことを教えてくれた.

「クロトンは育てやすいし,見栄えもきれいだよ.
トラノオもいいかもしれない.繁殖について詳しい知識はないけど,
アドバイスは自分にもできるかもしれない.
・・・この身体でも,できるのかな」


できることはやってみましょう.
難しいことは手伝いますよ.やるべきことは教えてください.


「トラノオのは鉢植えがいいかもしれない.
土はこの辺りまで入れてください.かぶせた後は少し押してください.
そうね,それでいいよ.少し水もあげましょう.
鉢は半分が日向で,半分は日陰になる場所に置いてください.
これから水やりもやりますが,・・・あまり自分に期待しないでくださいよ」


あなたはすでに,この花を育ていますよ.


アマリリスの種(球根)も買ってきたので,一緒に植えて育てましょう.
これは,あなたが家でやっていた花を育てる作業と同じですよ.
始める前に満足度は1点と言っていましたが,
どのようにできれば5点と感じるのか教えてください.

あなたが自分の意思で,頭と心と身体と使うことが,
あなたにとってのリハビリテーションです.
歩く訓練も,花に水をあげるための身体を維持する目的になるでしょう.


娘さん,これはあなたの父親が語ったストーリーです.

「昔から自分のことを語らない父でしたので,
今こうやって話を聴けたことが嬉しいです.
父が家で過ごしていた頃のままでいられるために,
庭にある鉢を運びますね.コインも持ってきます.
私たちも父と一緒に,花を育ててます」





種を明るみに出そう.

これはOT実習生の物語.
彼は作業療法士になるのは課題があると宣言され,実習に合格できなかった.
辞めるかどうかの瀬戸際だった.
その彼が,ボクの職場で追加実習として一緒に働いた3週間の物語.
クライエントと上手く話せないと,初日に小さく語った彼自身が育てた物語.

ボクも彼もクライエントも,自分をあきらめていない.

今のボクらにとって,今この場所で,この人々や関係の中で,
花を育てるoccupationの意味は,
環境と人と自分が育ちたいように,少しずつ確実に育てること.