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2012/11/17

第10回沖縄県作業療法学会は最高だった

ボクらは上手くいこうが、失敗しようが、どっちでもいい。
背中を見てる後輩の気持ちが折れないように、歩み方を意識してる。
ボクなんてまだ若いクセに。でも、大事にしたいことなんだよね。


情熱と愛とユーモアに溢れる10回沖縄県OT学会のスタッフミーティング!
 @ 浦添市てだこホール




第10回沖縄県OT学会・特別企画
「クライエントが語る作業療法の魅力」
いきがいのまちデイ田中さんと利用者が作業ストーリーを語る


在宅はムリと医師に宣言された利用者が、
いきがいのまちデイで取り戻した自分らしさ。涙が止まらない。




いきがいのまちデイ利用者が片手でサンシンを弾く姿をみて、
自分もできると強くイメージできた、と利用者が語る。
それが作業を再び始めようと思ったきっかけ、と。


いきがいのまちデイ田村代表が語る、
片手でサンシンを弾く自分を取り戻したクライエントのストーリー。
何十回観ても、涙がいつまでも流れる。

学会特別企画。
精神疾患と共に生きるクライエントが作業療法の魅力と可能性を語る。
「私を人間として関わり支援するOTが生きるエネルギーの源」
司会はNPO団体コミッと、坂元OT。


精神科病院が私を社会から剥離させた。
社会とつながろうとイメージするから、妄想が強くなった。
閉じ込めないで、地域とつながれるようにサポートして欲しい。




いきがいのまちデイ「マラソンへの想い」
10回沖縄県OT学会ランチョン企画、OTムービーコンテスト




10回沖縄県OT学会ランチョン企画、OTムービーコンテスト。
さて、ADOCショータイム!





重要な作業に焦点をあてることで自信の回復につながった事例
-ADOCの使用経験から- いきがいのまちデイ金武、仲宗根OT

ADOCの面接により、友人と遊ぶ自分を取り戻したいと
思っていたことをクライエントが発見した。




老健における「意味のある作業活動」についての取り組み
-ADOCの使用経験- かりゆしの里、上地OT

老健のOTが若い利用者に、
「リハ目標はなぜトイレ動作の自立でしょうね」と尋ねた。
病院のOTに言われたからだけど理由はわからない、と利用者は答えた。
ADOCを使って初めて、
一緒に暮らしたいと思っていた女性の存在にお互いに気づいた。




認知症デイと社協のコラボOT、
切っ手大作戦!天久台病院重度認知症デイ・アルファ、徳里OT




10回沖縄県OT学会、自主企画セミナー「認知症高齢者の支援」
OT会リーダー講師、上城憲司先生。イイね!しか言わない司会、琉球OT
認知症病棟、認知症デイで働く3人のOTによるプレゼン。

5年前にイギリスでWFOT協会長から叱咤激励、
「国から認められるように日本のOTはもっとがんばりなさい」と。
10回沖縄県OT学会企画セミナー上城憲司先生




イギリスOTの仕事は、アセスメント。生活のマネジメント。

認知症高齢者支援は家族支援とワンセット


入院、入所期間のOTは、退院援助は
入院、入所したその日から始まるという認識を持つこと。

北中城若松病院、認知症疾患型介護療養病棟の中野OT。
入院直後の自宅調査が大事!

小集団で外出し、現地で家族と合流する仕組み。
対象者と家族を離さない。結びつける。




10回沖縄県OT学会、大人の学芸会はじまり!

講演会限定バージョン10年おでん&そば。
第10回沖縄県OT学会のOTムービーコンテスト優勝しました。感謝。

日本OT協会副会長の山根先生より、これがOTの原点だ、とコメント。




学会1日目のラストはかちゃーしー、かちゃーしー!





第10回沖縄県OT学会市民公開講座、3人のDrが語るうつ病。
10年おでん&そばも流れることになりました。




生きる動機の格差。非正規雇用増大の心理的影響。

現代型うつ病の特徴は、役割への拒否。

家族は成長し、成熟し、分裂して生き延びる。
家族は永遠でないことを覚悟せよ。

うつ病デイケアで認知行動療法プログラム。完璧な自分を求めない。

うつは心の風邪ではない。心の生活習慣病。薬と休養だけではだめ。

うつはセロトニンをコントロールすればよい、という考えは間違い。
うつは人生そのものに関わってくること。



参加者は410人でした。昨日の学会は270名の参加でした。

第10回沖縄県作業療法学会
「かえていくもの、かえないもの」 -つながるチカラをカタチに-




今回はまったく新しいシステムや企画に数多く挑んだ学会だった.
その中の1つが学会発表サポートシステムだった.
ボクは学会実行委員としてシステムの導入にも関わっていたが,
研究会運営者として学会サポートにも3人の演者と関わりを持つことができた.
学会の翌日にサポートをした演者から送られてきたメールを紹介する.


「ご協力のおかげで、新たな視点を学ぶことが出来ました。
ここまで協力して頂ける先輩方がいらっしゃることを心強いと感じました。
また、発表をしようと決めたことで村上さん・上江洲さんと繋がることができ、
発表することで他OTの先輩方へと繋がることができました。
厳しくも温かくもある仲間がいるということを感じることが出来ました。
『繋がる』ということをすごく実感できた学会でした。
今回の経験を通して、私自身、成長できたと感じています」


このメールを読んで,システムの成功をはじめて実感した.
研究会を運勢する側としては,
共に学を深める沖縄のOTとつながる方法を模索し続けてきた.
県学会実行委員としては,
日々の臨床で発見したことを共有したり自信を育める場を目指した.
県士会理事としては,
OTが自己研鑽し合える機会を提供することに専念してきた.
そして一会員しては,
私も含めた700人の仲間が楽しく誇りを持って仕事ができることが夢だった.

今回の若い演者から受け取ったメールを読んで,
これまですべての時間とエネルギーが報われた思いだった.




すべての仲間に感謝し,
沖縄県で作業療法士として働くことができて,
心から嬉しく思う.




ありがとー

2012/11/13

花の作業 - 作業療法と教育 -

初めて会った時から彼は,平行棒内の歩行訓練を熱望していた.

左手足はほとんど動かず,かなり支えなければいけなかった.
歩く目標を尋ねたが,聴こえないふりを繰り返した.
車いすを駆動できるが,次の指示を待って動かなかった.
記憶が曖昧で,左方向には注意が届かず,無口という印象だった.
特養ホームでは珍しいことではないが,なぜか気になる存在だった.


ADOCを使って作業療法の目標を確認しようと決めた.






それまでは,何をやりたいのかと聴いても「別にないですよ」と答えていた.
園芸のイラストで表情が動いた.いつもは寡黙な彼の口から言葉が流れた.
「とても大切な生きがいだった」と話した.
どこで,だれと,どんな花木を,なんのために育てていたのか,尋ねた.
彼は大切にしていたことを自分の中から掘り起こすように,語り始めた.


そのストーリーに触れることは,OTにとっても大切なことだった.


「50年前に田舎から都心へ移ってから,空き地で花木を植え始めた.
子供たちと一緒に育てることが楽しかった.花は人に贈っていた.
花は愛情を持って育てることに意味があった.
花木を育てるのは夢だった.身体が治ったら,また始めたい」


「40年前,脳梗塞になった.40歳だった.5年後には職場に復帰した」


「役所の人事課で働いていた.
人を育てる過程や,育った人が働く姿をみるのが好きだった.
趣味だった無線通信士の資格も取った.コイン集めと切手収集も好きだった」


いま,やりたいと思うことで,できるなと思うことは何ですか?

「うん,花を育てることかな」


ここで生活しながら育てるための花木を,園芸店で選びましょう.
どんな花が育てやすいのか,あなたはボクに教えてください.
どこに植えればいいのか教えてくれたら,難しいことは手伝えます.
どのように育てればいいのか教えてくれたら,一緒に育てることができます.


翌週,彼は園芸店で花木について大切なことを教えてくれた.

「クロトンは育てやすいし,見栄えもきれいだよ.
トラノオもいいかもしれない.繁殖について詳しい知識はないけど,
アドバイスは自分にもできるかもしれない.
・・・この身体でも,できるのかな」


できることはやってみましょう.
難しいことは手伝いますよ.やるべきことは教えてください.


「トラノオのは鉢植えがいいかもしれない.
土はこの辺りまで入れてください.かぶせた後は少し押してください.
そうね,それでいいよ.少し水もあげましょう.
鉢は半分が日向で,半分は日陰になる場所に置いてください.
これから水やりもやりますが,・・・あまり自分に期待しないでくださいよ」


あなたはすでに,この花を育ていますよ.


アマリリスの種(球根)も買ってきたので,一緒に植えて育てましょう.
これは,あなたが家でやっていた花を育てる作業と同じですよ.
始める前に満足度は1点と言っていましたが,
どのようにできれば5点と感じるのか教えてください.

あなたが自分の意思で,頭と心と身体と使うことが,
あなたにとってのリハビリテーションです.
歩く訓練も,花に水をあげるための身体を維持する目的になるでしょう.


娘さん,これはあなたの父親が語ったストーリーです.

「昔から自分のことを語らない父でしたので,
今こうやって話を聴けたことが嬉しいです.
父が家で過ごしていた頃のままでいられるために,
庭にある鉢を運びますね.コインも持ってきます.
私たちも父と一緒に,花を育ててます」





種を明るみに出そう.

これはOT実習生の物語.
彼は作業療法士になるのは課題があると宣言され,実習に合格できなかった.
辞めるかどうかの瀬戸際だった.
その彼が,ボクの職場で追加実習として一緒に働いた3週間の物語.
クライエントと上手く話せないと,初日に小さく語った彼自身が育てた物語.

ボクも彼もクライエントも,自分をあきらめていない.

今のボクらにとって,今この場所で,この人々や関係の中で,
花を育てるoccupationの意味は,
環境と人と自分が育ちたいように,少しずつ確実に育てること.

2012/10/18

なんくるなるさ

優しい人になりたい.
頭良い人になりたい.
心強い人になりたい.


いつかなれるよ.
きっとなれるよ.
泣いても笑っても,なれるよ.





ケ・セラ・セラ

私がまだ小さい少女だった頃ね
私,お母さんに聴いたの
私,どうなるのかなって

可愛くなるかな?
お金持ちになれるかな?って

お母さん,こう言ったのよ

ありのままでいいのよ
すべてなるようになるのだから
将来なんてね,誰にもわからないのよ

ありのままでいいのよ
すべて,なるようになるのだから

僕がまだ小さい男の子だった頃にさ
僕,お母さんに聴いたんだ
僕,どうなるんだろうって

カッコよくなる?
お金持ちかな?って

お母さん,こう言ったんだよ

ありのままでいいのよ
すべてなるようになるのだから
将来なんてね,誰にもわからないのよ


ありのままで生きなさい







ありのままでいいのよ
すべてなるようになるのだから

2012/10/15

ゴールデン・ディナー

アンチ・エイジングとは加齢への抵抗.
ゴールデン・エイジとは古き良き時代.
ゴールデン・エイジングという言葉があってもいいよね.



回復期リハ病棟に6ヶ月入院後,通所を利用して1ヶ月が経過していた.
彼は胃瘻から栄養剤を摂取し,ADLは全介助で要介護5だった.
言葉を聞いたことがなかったので,話せないだろうと思っていた.

ADOCを使って作業療法の目標を一緒に決めることにした.

食事のイラストを指差して,「食べれるようになりたい」と彼は話した.
「毎食,口から食べれなくもいい.
夕ご飯の時だけは,家族と同じご飯が食べたいんだ」と泣きながら話した.









泣き終わるのを待って,作業療法士としての意見を伝えた.
事前にカルテを読みました.医師はムリだと書いてありました.
その根拠は,病院のリハスタッフの評価でした.

でも詳しく書いてありませんでした.
楽しみ程度の少しの食べ物もあげてはいけせん,と書かれていました.
検査の時に,どれくらいムセましたか?

「はじめに少しムセたかもしれない.口に水を入れたのは1回だけだった.
ボクはね,納得していない.7ヶ月前からずっと納得していない.
お腹に管を入れたことは,理解できないとずっと思っていた」

話しながら滑舌と会話内容を観察していますが,唾液を飲み込みましたね.
飲み込みが可能か判断するために水飲みテストを,今すぐ実施しましょう.
課題があれば,どこに,どんな課題が,どれほどあるか意見を伝えます.
家族と夕ご飯が食べれることを目標にするか,その時に一緒に判断します.



・・・問題ありませんでしたね.それではリハ目標にしましょう.
いま,看護師と相談員と介護士に立ち会ってもらいましたので,
これからリハビリテーションの目標にすることを説明して,同意を得ました.
しばらくは嚥下評価としてゼリーを食べることから始めましょう.

1ヶ月後に再評価をして,問題がなければ普通食に移行しましょう.
ただし,医師とケアマネと家族の同意を得る必要があります.
私たちからも依頼しますが,あなたも彼らに意思を伝えてください.
専門職と家族の同意をどうやれば得れるのか,一緒に考えましょう.



1ヶ月後



ケアマネさん,娘さん,今日は忙しいところを,ありがとうございます.
まず始めに伝えておきたいことがあります.
これはADOCという作業療法評価とリハ計画書です.
彼は家族と夕ご飯を食べていた頃を,とても大事にしていました.
ずっと言えなかったそうですが,あきらめていなかったそうです.

今から初めて普通食を食べる場面に立ち会ってもらいますが,
これは嚥下の評価でも食べる能力の評価でもありません.
家族と一緒に夕ご飯を食べる生活が,将来的に可能か一緒に考える機会です.
この彼の希望を忘れずに,参加してください.

ムセずに食べることができたら,介助方法について教えます.
料理法,食器,望ましい姿勢,観察するべき点,介助のタイミング,
予測される危険な状態と対処法,段階づけなどについて説明します.
栄養士,看護師,相談員,介護士と一緒に説明します.
でも,どうやるか,何をやるかよりも,意味を知って欲しいのです.


ゴールデンタイムのテレビを観ながら,
家族で一緒に,家族と同じご飯を食べる生活を送るためです.
彼が伝えた,食事を食べることの意味と目的を,共有しましょう.
すべてはこのADOC計画書に書いてあります.

今,彼は歩行器を使えば少しの介助で,歩いてトイレに行けます.
シャツも自分で着けることができます.
日々,ここで介護士と看護師がそうなるように支援しているからです.
これらも彼の希望でした.その理由はすべて,家族のためでした.
食事を口から食べること,と同じ意味でした.







彼は慎重に咀嚼して,飲み込んだ.後半は自らの手で食べた.
その様子を見た家族が尋ねた.
「家族と同じご飯を食べるなら,調理の時に注意することは何ですか」



その瞬間,彼は言葉をつまらせて,

号泣した.

彼に見えたゴールデン・ディナーな日々がボクにも見えた.