OSセミナーで発表したいと相談があった3人に対して,純粋な作業科学者ではないボクがサポートすることに抵抗があった.抄録のたたき台を読んだ時は,作業科学ではなくて作業療法の事例報告なので,別の場に発表した方が良いと勧めた.
でも,彼女らは自分たちの臨床を展開する上で,心強い存在だった作業科学のセミナーに発表したいと強く訴えた.彼女らを作業療法のクライエントと定義し,共に歩むことにした.そこからは半年ほどメール,Skype,電話でずっとインタビュー
何を伝えたいの?なぜ伝えるの?目的が実現したかどうかは何で判断するの?という感じで共に模索.特に和歌山の沖田さんは相談があった時点で介入中の事例だったので,目標設定や介入計画についても一緒に模索した.
それはtomoriくんに教えてもらったやり方だった.めがねOTさんも侍OTもやっていることだった.どんなに困難な状況でも,ムリだと言われても,誰かに助けてもらうのではなく,自分で変われると信じていた.
当日の彼女たちのプレゼンは情熱的な瞳で,真摯な語り口だった.プレゼンを聴いている方々の視線,言葉は,自分が関係しているクライエントやチームメイトをイメージしているようだった.事例報告の成果や過程よりも,未来を共有しているように見えた.
木田さんの講演は過去に聴いたすべてのプレゼンの中で,最高だった.震災や原発事故からの避難が生々しかったからではない.思い描く未来が理想的だったからではない.生々しさと理想を結ぶ過程が魅力的だった.
木田さんが伝えたかったのは,どんな環境でも作業療法士は作業療法ができる.どんな状況でもクライエントに作業療法は求められている.作業療法士とクライエントとチームを含めて誰にでも,自分と環境を変える力は備わっている.ということだと思った.
それは作業科学セミナー福島の運営メンバーも,参加者も理事会も同じことを期待しているんじゃないかな.何をやるかではなく,志でつながっている.
名刺交換して,感動して,発表して,終わりじゃない.
未来を作るために,共に歩む.
最後に,発表した仲間から今朝届いたメールを紹介.
「みんな同じように悩んでいるんだなってわかりましました.そして,もっと自分にできることがあるんじゃないかって心残りが出てきました.これを次のクライエントに活かしたいです.もっとより良い支援を,1人だけじゃなくて,すべてのクライエントに提供したいです.このクライエントの出会いを,活かせるようにしたいです.自分のためにも,チームのためにも」
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