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2016/03/21

第3回日本臨床作業療法学会 学術大会メモ

インシュタインが100年前に予言した重力波の存在が証明された.
質量を持ったものが存在するだけで,空間と時間に歪みができる.
重ければ重いほどその歪みは大きくなり,
その物体が移動することで時空の歪みは変化し,光の速さで伝わる.

この変化の波を重力波と呼び,
二人が腕を組み合ってぐるぐる回るだけで発生し,

星を突き破って宇宙へ広がる.

映画インターステラーを思い出して,
「父さんだ!マァーーーフ!」と叫んでしまった.

「時間の仮定を疑わない理論の下で答えを導こうとした前提では,
再帰的で意味がない.両手を縛られたままで戦うようなものだ」
と静かに憤るマーフのセリフが忘れらない.




2016年3月18日・19日に東京工科大で日本臨床作業療法学会,
第3回学術大会が無事に開催されました.
330人の事前応募があり,大盛況となりましたこと感謝いたします.





今回は事例発表,座長,理事講演を担当し,
座長を務めた事例報告が最も印象に残った.
介入の成果としてクライエントが自分らしいと思える生活を再構築するため,
作業を経験するための機会と環境をコントロールできることに視点があった.

発表の質が高いと判断したのは成果だけではなく,
作業の特定と介入のプロセスが丁寧であったこと.
制限された環境の中でクライエントに向き合い,
チームメイトの協力を集め,より確実に目標を実現しようと試みる過程に,
抄録だけでは読み取れない覚悟を感じ取った.

何よりも自分の臨床実践を批判的に吟味していること,
十分にリスクを予測して対策した上で行動している実行力があった.
個人的にはこの2点を重要視している.



いを立て,問題を定義し,前提を疑い,固執せず,
感情的にならない批判的思考を保つこと

批判や根拠にとらわれず,確信に従って行動し,
行動によって根拠を築き上げること

2つの条件が満たされていれば,
発表は一人歩きにならない.
リレーでバトンを受け取って走り出すように,
聞き手が次々と変化を起こしながら連なってゆく.
打ち寄せる波のような変化は止められない.



提を疑い現状を肯定せず,理想を追求している300人が集った.
ひとりひとりの行動力が生み出した重力波はボクらの中を突き進んだ.
ひとつひとつの行動はひとつの目標を実現するため.
確信している作業療法の効果を確かに証明するため.


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