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2011/01/16

目標を決めたのは自分 Objective self-constituted

15年前に受験したセンター試験は100点満点に換算して,数学10点,英語20点だった.
3年間,高校と塾に通っていたので,脳に問題があるんじゃないかと本気で思ったよ.
看護師か介護士になろうかと思ったけど,親の勧めでOTを受験したんだよね.
いわゆる,基礎学力が低い,自分の意思で進学していないタイプの人間です.
人生において,どこで,だれと,どのようにつながるのか,という目標がなかったなあ.








ここ2カ月ほど,チーム管理について相談を受けて一緒に悩むことが何回もあった.
1年目から10年目以上のOT経験がそれぞれあったが,同じように悩んでいた.
まずは話をしっかり掘り下げて聞いてから,こうじゃないかなあと考えを話したが,
結局は自分のことを冷静に分析して対策を練っているなあと思った.
そっか,ボクはここで悩んでいるのか,あそこを目標にしているのか,と発見した.




病院にいると退院後の生活を現実的にイメージしていているのかなと思い,
施設にいるとこれから数年,数十年と続く生活をイメージしているのかなと思う.
目の前のクライエントに対して,作業療法士として今やるべき支援は何だろうと悩む.
そのうち,なんで自分の悩みを理解したり共有しないんだろうと,チームにイラつく.


そういう時って,どうやってチームをコントロールしようかと悩んでしまいそうになる.
教育や管理・運営って手段なのに,それ自体が目的になってしまいがち.
自分を理解して欲しいのか,クライエントを理解して欲しいのかさえ,わからなくなる.
だから,いったん無理やりに冷静になってから,じっくり目標と向き合ってみる.




どうしたいわけよ?


それは何でよ?


それは手段でしょ,目的と目標は何ね?








じゃあ,それは何でね?


どういう状態になればいいの?


それはどうやって達成度を判断するの?




そうすると,自分とは知識,教育,経験,出会いが違うから価値観が異なり,
その異なりは良いとか悪いとか,高いとか低いでは判断することではないと気づく.
例えれば,ベートーベンとビートルズとAKB48の違いかな.ちょっと違うか.いいや.
自分の信念が好きなのは事実として認識し,それが正しいのは仮説として認識する.




人には人の信念があり,それは人が変えきれるものではなく,自分で変わるもの.
変わることがいいことなのかは,どの立場で見るかによって違うはず.
あいつはベートーベンを捨ててビートルズになりやがった,と怒るか喜ぶかもしれない.
AKB48の立場から見たらどっちでもよくて,そう思うことは悪くも誤ってもいない.








大切なことは,自分はどうしたいと思っているのかを知っていることかな.
地域や職場で流行の実践技術や理論があるかもしれない.
それを喜んだり悲観しているのは,時代や組織や偉い人ではなくて自分なんだよね.
自分の目標に向かって,自分がやるべきだと思うことを,自分がやればいいわけね.


ADOC


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2011/01/15

科学と宗教 Science and Religion

映画「送り人」の原作,青木新門さんの納棺夫日記を見つけて,
何気なく開いたページに一瞬で引き込まれた.


”科学的でない宗教は盲目である
宗教のない科学は危険である

と言ったのではアインシュタインである.「宗教のない科学は危険である」
という言葉に我が意を得たりと思う前に,宗教関係者は「科学的でない
宗教は盲目である」という言葉を味わうべきである.”


う~ん,なるほど.
もちろん,本文の前後関係を読まないと意図することは理解できない.
しかし,あえてこの一文を読んだ時にまず思ったことを残してみたい.

科学はエビデンス,宗教はナラィテブと似ているかもしれない.
本質を言えば,科学は手段であり,宗教は目的かもしれない.

作業療法の統計的調査,事例報告も含めた研究を読んでいて,
これは臨床に何の利益をもたらすのだろうか,と思う時もある.
逆に,臨床的価値は理解できても,客観的根拠が皆無と思う時もある.

正しい,間違っている,という二元論で考えようとすると,
何のために考えているのかわからなくなってしまう.
安易に両方必要なのさ,と片付けてしまうのは,楽だが意味もない.

目的と手段だと考えてみた.
ADOC(作業選択意思決定支援ソフト)プロジェクトが
目指す目的と選択した手段について考えてみた.


・・・うまく書けないので,また後日.
何が言いたいんだっけなあ.

2011/01/09

2010年Book琉球OT大賞

毎年恒例の勝手にランキング.
昨年はあまり本を読まなかったなあ.
2010年から電子書籍部門登場.

ビジネス書・新書部門

1位:「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト(酒井穣)
養成教育のために読んだが,組織の成長を考える上でも勉強になった.

2位:7つの習慣(スティーブン・R・コヴィー)
tomoriくんの紹介.これまで読んだビジネス本,自己啓発本の総まとめ.一生の友達になれる本.

3位:しあわせる力(玄侑宗久)
侍OTさん,tomoriくんの紹介.なんてボクは心が狭いのかと思い,それも許そうと思った.

4位おいしい日常(平松洋子)
一生の友達になれる本.美しい感性,丁寧な観察眼,飾らない表現力,温かい想像力.沖縄そば日記を再開しよ.

5位:googleの正体(牧野武文)
なるほど,グーグル!バリフリマップのアイデアを集める目的で読んだが,動機と目標を考え直した.

・夢を叶えるイチロー哲学(児玉光雄)

・アップル、グーグル、マイクロソフト−クラウド、携帯末端戦争のゆくえ−(岡嶋裕史)

・二十億光年の孤独(谷川俊太郎)

・人間にとって科学とは何か(村上陽一郎)

・幸福論(アラン、白井健三郎訳)

・これが現象学だ(谷徹)

空気を読むな、本を読め。(小飼弾)

・空気の研究(山本七平)

・iPhone×Business(田中裕子)


小説部門

1位:いつか陽のあたる場所で(乃南アサ)
負い目を背負い,生きていく.精神科で働いていた頃を思い出した.

2位:レインツリーの国(有川浩)
障がいがあることで育まれた内と外への刺.自分と向き合う人と向き合う人の心得.

3位:ランナー(あさのあつこ)
豊かな表現力,しっかりした構成.あきらめた人の内と外への抵抗と希望.

4位:プラナリア(山本文緒)
なんで今まで読まなかったかなあ.仕事をしない,できない状況での主観的な意味と目的.生々しく,力強くて,とても弱い.

5位:MOMENT(本多孝好)
死にそうな患者の願いを叶える清掃員.OTとして,そういう仕事がしたい.


・使命と魂のリミット(東野圭吾)

・看守眼(横山秀夫)

ソウルケイジ(誉田哲也)


・ノックする人々(池内広明)


・膠着(今野敏)

・ボトルネック(米澤穂信)

・砂漠(伊坂幸太郎)

・真夏の島に咲く花は(垣根涼介)


・トリップ(角田光代)

・家日和(奥田英朗)

・ブルータワー(石田衣良)

・白銀ジャック(東野圭吾)

・借金取りの王子(垣根涼介)


電子書籍部門
1位:もし高校野球のマネージャーがドラッガーのマネジメントを読んだら(岩崎夏海)
もっとも読み返した本.わkりやすく経営哲学を教えてくれる.顧客は誰か.

2位:これからの「正義」の話をしよう(マイケル・サンデル、澤忍訳)
自分の価値観の前提になっていることを多元的,多層的に見つめることの大切さ.

3位:一流の思考法(森本貴義)
tomoriくんのお勧め.ちゃんとやるべきことを,ちゃんとやる.

4位:人脈レバレッジ(本田直之)
これもtomoriくんのお勧め.人とつながるための責任と意味を知る.

5位:FREE(クリス・アンダーソン、小林弘人監修、 高橋則明訳)

・適当日記(高田純次)

・7つの習慣ー実践法ー(フランクリン・コヴィー・ジャパン)

2011/01/03

琉球OTの from 2010 to 2011


10位.第32回九州PTOT合同学会(沖縄コンベンションセンター)
ADOCのポスター発表、たくさんの人が聴きにきてくれて嬉しかった。
開催準備に尋常ではないエネルギーと時間を注いだ先輩方に感謝。
認知症研究会メンバーとの出会いもあった。人って作業でつながるんだなあ。


9位.琉球OTブログ
Yahoo!ブログからBroggerへ引っ越し。いつの間にか3年が経っていた。
ブログ読んでます、と声をかけられることが多かった。なんでわかるんだろ?
日記を続けてきて良かった、と思える瞬間が2010年は最も多かった。


8位.第8回沖縄県OT学会(琉球リハビリテーション学院)
講義システム、通所リハ事例報告、学生と協業したバリフリマップ作り。
はりきって3演題を発表。まさかの副学会長。すべて楽しかった。
発表、運営のプロセスで人から影響をだいぶ感じて、ゆいまーるだなぁと思った。


7位.apple (MacBook,iPhone3GS&4,iPad)
ポケベルからケータイに変わった時、ワープロからパソコンに変わった時。
それ以上の革命。もうケータイとWindowsに戻れない。自覚しているAppStore中毒。
メール効率化とtwitterによって、人と速く広くつながった。出会いの革命年。




6位.第44回日本OT学会(仙台)
ADOCのデビュー戦。学会で発表して、あんなに人が集まってくれたのは初めて。
賛同してくれた人たちと顔を合わせて、直接つながることができた。
このつながりは、2011年はさらに太く固く結ばれていくことを確信できる。


5位.OSセミナー
これが1位かと思ったけど、セミナー開催は目標を実現するための1つの手段かな。
大会テーマの「結」は、その日だけのものではなく、これまで続いてきた関係や
これから強くなっていく関係を表しているんじゃないかなと思った




4位.学生の卒業、就職
たぶん最初で最後の教員としての体験。人生において最も頭とエネルギーを使った。
それ以上に学生はがんばったと思う。自分の卒業、就職より100倍嬉しかった。
でかい感動を与えてくれた学生に感謝。ずっと大切にしたい、つながり。


3位.転職
人生の転機、だった。日記に書けないような事情と状況で、最も悩んだ。
重要度、緊急度の高い作業を抽出して、それぞれを点数化して結論。前進と思う。
求められる役割は異なっても、同じ意味を見いだせそう。


2位.ADOCプロジェクト
希望と不安を抱えながら育んできたプロジェクト。つながってくれた仲間に感謝。
tomoriくんはおもしろいなあ。真摯な姿勢と粘り強さは、ボクの変わらない理想。
OTとしての使命を果たす方法が、ADOC開発・広報という作業形態で見えた。




1位.次女誕生
2010年、堂々の1位。これまでと同じ育児という作業でも、意味が変わってきた。
人と話して、この人も子供の時に親がかけた願いがあるんだなと考えるようになった。
人とつながる意味と目的についてイメージするようになった。




2011年のテーマは2010年に結ばれた縁を、良い方へと変化させる力にすること。
すなわち、結果を出すこと。その過程にある、つながりに気づくこと。
おおお、これだ。琉球OTよ、脱兎のごとく駆け跳ねろー