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2013/04/12

明日に架ける橋

35歳の若さで靴ズレが原因の蜂窩織炎を患って入院なんて,
こんなケース初めてみた,とNsに言われまくりです.
・・・褒め言葉のつもりかな?あんまり褒め上手ではないねぇ.

日記を書く時は,メッセージを届ける特定の誰かをイメージしています.

1週間かけて作った橋なら1ヶ月は渡れる,
1ヶ月かけて作った橋なら1年間は渡れる,
1年間かけて作った橋なら10年間は渡れる,と伝えたい人たちがいます.






長い目で考えてみて.1日で変えれたことは,誰も大切にしてないこと.
変える価値のあることは,最短で1年かかる.
1年は長く感じるので,必殺技があればな,とたまに思う.

でも,どんな人でも説得する話術とか,確実に成功する交渉術なんてない.
サッカーでロスタイムから毎回確実に逆転勝ちする方法とか,
恋人とケンカしないでずっと付き合える方法,のように存在しない.

平行棒内で立ち上がり訓練メニューだけを10年提供してきた習慣の中で,
やりたいことを通して健康になろう,昔の役割だった料理を作ろう,
って価値観.すぐ理解されるハズがない.仕事する気がない?と言われる.



でも,価値観は必ず変わる.変えるんじゃなくて,変わる.
変わるとしたら,経験を通して理解した時しかない.
自分で頭と心と身体を動かして,感じて,考えた時だけ,変わる.

経験した事実は他人が変えきれず,内容がどうであれ否定されたくない.
変わるとするなら,新しい経験で価値観を上書きするしかない.
1回の行事ではなく,習慣になるまで続けるしかない.

だから仕事は5年目標を決めて,2年スパンで考える.
頑張って作成した起案書があっさり破り捨てられても,
不採択だったという事実が1年後,2年後に活きる.時には武器にもなる.



5年後に誰が,どの場面で,どのように発言,行動するか,イメージして,
2年で距離が短縮されてなければ,目標か職場の変更を検討する.
サンクコストにこだわっていると,時間とエネルギーを無駄にしてしまうから.






成果が出るまでの1年は苦しいけど,楽をしない方がイイ.
偉い人が,協力しろとみんなに言ってやる,と声をかけてくれたら,
丁重に断ってきた.それは1日でかけた橋に過ぎない.

指示された仕事のルールなんて,表面上は継続を維持できても,
誰も楽しくなんてないし,忙しいという理由でいつか必ず自然消滅するよ.
焦って判断と発言を誤れば,これまでの苦労も水の泡となってしまう.

目標が見えれば焦らない.目標が見えている限りは,回り道も休憩もできる.
行き先がわかっていないと,少しの迂回でも道に迷ったとパニックになり,
ちょっと立ち往生しただけで前進していないと絶望的になる.



同じ状況でも,目標と優先順位への意識の違いで,感じ方がまるで変わる.



大事なことを忘れてた.
飴とムチ,報酬で他人をコントロールできると思い込まない.
必ず相手にバレて,気持ち良くない人だと思われる.人間のブランドが下がる.

コントロールするのではなくて,建前ではなく本気で,貢献しようと決心する.
職種や経験年数は違っても,仕事を通して実現したいことは,つながる.
自分が変化を起こしたいと思ったら,全員の希望を確認しようと努める.

休みが欲しいとか効率的に記録したいとか残業したくないとか,
そんな欲求じゃなくて,あるいは欲求の根っこにある希望,ハッピー.
仕事を通して実現したい希望に貢献すれば,自分が望む変化と同じ方向へ歩むハズ.



価値観は,根っこにある希望は,対象者の希望へと続いている.
対象者の希望が目に見えている場合に限って,時間をかけて少しずつ前進できる.
作業療法のプロセスに似ているなぁといつも思うのです.


2013/04/08

介護保険と作業療法

やるべきことのために,
県OT会保険部理事を前年度で退任しました.
今後は違う形で県士会と社会に貢献します.




平成24年度介護報酬改定は4月1日から施行されたが,
厚生労働省では翌月の5月17日から改定検証・委員会における
調査の実施案が公表されている.

審議報告において検討が必要された事項では,
ケアマネジメントについての評価,検証の手法やケアプラン様式の見直しが,
大きな注目を浴びている.

この中に,作業療法士と関係が深い検討事項がある.

「生活期のリハビリテーションの充実を図るために,施設から在宅まで高齢者の
状態に応じたリハビリテーションを包括的に提供するとともに,リハビリ専門職と
介護職との連携を強化するなど,リハビリテーションの在り方について検討する.
さらに,リハビリテーションの効果についての評価手法について研究を進める」

調査研究としてあがったのは,
「生活期において実施されているリハビリテーションの実態調査」
その内容は以下の通り.

「生活期リハビリテーションの具体的内容,通所リハビリテーション,通所介護に
おける自立支援に係るサービス提供の実態,リハビリテーション・機能訓練の
アウトカムの評価方法について検証」


さらに,この調査の実施主体名と事業名は以下の通り.


公益社団法人 全国国民健康保険診療施設協議会
訪問リハ及び通所リハサービス利用者に関する生活期リハビリテーションの効果に
関する調査研究事業

公益社団法人 全国老人保健施設協会
生活期リハビリテーションによる効果判定のための評価表の作成とその試行に関する
調査研究事業

公益社団法人 日本理学療法士協会
病期・職種を問わずに使用できるリハビリテーション評価指標作成事業

株式会社 三菱総合研究所
生活期リハビリテーションの効果についての評価方法に関する調査研究事業


以上・・・日本作業療法士協会は?
理由や経過はわからないけど,この事業に関係して欲しかった.
生活行為マネジメント評価表はここで活躍できたと思う.

生活期においても機能訓練の効果は期待できる場合もあるが,
すべての利用者に対して,すべてのセラピストが,
永久的に機能訓練効果を示せ続けるとは考えにくい.

役割を感じれる活動への参加度や参加がもたらす満足感.
あるいは単純に,やりたいことの満足度を指標にした方が現状より現実的と思う.
それが本来の作業療法,あるいはリハビリテーションとも思う.




もうひとつ,厚生労働省が関係する調査で興味深い話題.
これは出典を失念して探しまくっているけど,
見当たらないのではっきり言えない.

介護保険サービスおよびリハビリテーションの効果を,
介護保険が始まって以来ずっと主に要介護度で判断していた.
それを見直そうという意見が上がっている.

根拠は,数百の施設(だったと思う)で調査した結果,
要介護が悪化した利用者が通う施設と,
逆に要介護度が改善した利用者が通う施設の比較.

リハスタッフ数,リハ提供時間の差は,
要介護度の変化に影響がなかった.らしい.
衝撃的だけど,違和感はない.

要介護度はFIMやBIと比べて,悪く言えば鈍感な評価.
良く言えば,生活全般の自立度を指標にした包括的な評価だから,
ひとつの動作の自立度や正確さは反映されない.

ところで,悪化したグループの特徴は,
始めから要介護度が重度であったということ.
改善したグループは軽度であった.(だったと思う)

リハおよびサービスの質の指標は要介護度にしない方が良いらしいぞ,
という意見が支持されているみたい.
介護保険が始まって12年で,やっと根本的で重要な問題が注目された.

また,このまま要介護度の自立度を指標にすると,
介護度の軽い高齢者を受け入れた方が徳だと考える施設が現れる可能性があり,
不利益を被る高齢者が現れる可能性がある,との見解もあるらしい.そうでしょうね.





長々となってしまったけど,いよいよ本題.
維持期,生活期のリハビリテーションの効果をどう測定するか.
何を持って効果があったと判断するか.この時,モノサシを選択した理由が大事.

ADLには反映されていませんが機能が改善しました,とか,
筋力を維持できた可能性がある,表情が明るくなった気がする,とか・・・
これだけでは厳しいよ.このままだといずれ,訓練加算を請求できなくなると思う.

ADLよりも機能向上がセラピストの使命と謳っていた全国のPT,OTが,
ADL加算が始まった日から全国一斉にADLへの介入が始まったように.
法が変わればすべてのセラピストの臨床が1日で大きく変化することもある.



臨床は法で変わるけど,法は臨床研究で変わると思う.
法が悪いんだと訴えてもほとんど何も変わらないので,
臨床のために,臨床の人が,臨床の研究を発信した方がいいと思う.


社会と自分が今より少しでも良くなるように,発信した方がいいと思う.

2013/04/01

琉球OTは湘南の波に乗る


生まれ育ちは沖縄と言い張ってきたボクですが,
親父が昭和大学で院生の時に産まれたので,出生地は東京都練馬区です.
生後半年しか住んでいませんが,未だに都会人の香りがします.
・・・あ,間違えた.香りがするじゃん








コミュニケーション技術が高いわけでも,
人格が優れているわけでもありません.
会議が終わった後は,後悔や怒りで壁を蹴飛ばしています.

治療技術や専門知識が高いわけではありません.
調査や研究に長けているわけでもありません.
理論や学問への理解が深いわけでもありません.

臨床も特別なことはやっていません.
料理,手工芸,園芸や歩行訓練,福祉用具の選定など.
誰でもできることで,誰もがやっていることです.



でも,何をやるべきか,何をやらないべきか.
それは知っています.
何をやるのかよりも,何故やるのかは説明できます.

なぜ料理か
なぜ手工芸か
なぜ園芸か

それは一緒に働いているOTや,
他専門職の一部の方々には懇々と説明してきました.
今回はそのすべてを明るみに出して並べます.


湘南OT交流会祭りの特設ページ


他の講師の方々が伝えるメッセージがあって初めて,
抽象的で感覚的なボクのメッセージが活きます.
ボクに貢献できることがわずかでもあるなら,幸いです.