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2011/08/22

事例検討会のルール Case Review Committee Rules

学院の講義では事例検討会をよく採用した。
はじめに大切なルールを毎回必ず確認した。

ルール1:否定しない
ルール2:取引しない
ルール3:妥協しない




ルール1:否定しない
事例は心身機能、活動だけではなく、
参加、個人因子、環境因子、そして主観的価値観を提供するので、
必ず意見が割れるはずだと思う。
違いは個人的な経験と価値観が入ってくるので一致しないが、
相手のそれらを否定してはいけない。自分はそれらを否定されたくないでしょ。
正しさは、自分と周囲の人々の知識、経験によって定義が変わるのだから。

ルール2:取引しない
自分の意見を主張する時に、さっきは自分が妥協したのだから、
次は相手が妥協するように、などと交渉しない。
意見を聞き入れること、押し通すこと自体は目的でも目標でもなく、
より正しい支援を選択することにある。
したがって、交換条件という考え方を討議に持ち込まないこと。

ルール3:妥協しない
この事例検討会は働いた時のカンファランスだと思って参加して欲しい。
妥協するということは、この選択がより良いと思ったことを、
自分の担当患者さん、利用者さんに提供できないことを意味する。
担当する方の人生に不利益を与える可能性もある。
妥協は担当者としての責任放棄にあたることを自覚して欲しい。




卒業して就職したら、担当を任される。
その時、同じ担当のセラピスト、看護師、介護士、医師、相談員の
年齢、経験年数や価値観、経験はそれぞれに全然違うはずだと思う。

彼らは君らが新人だからといって否定したり、考えを押し付けたりはしない。
取引を君らに求めることはしないし、君らが持ちかけても受け入れない。
君らに対して、君らの考えを求めてくる。
知識や経験の不足だと思われることがあれば提供してくれるだろうが、
先輩のいうことを黙って聞くようにと言ったりしない。

君らがこれから経験を積み重ねて中堅、ベテランと呼ばれるようになっても、
この3原則はずっと覚え続けておくことが大切なこと。
君らが今思い描く「困っている人にとってイイ仕事をしたい自分」は、
君らが大切にして育ててあげないと。




OT学生の頃に介護士だった師匠に叩き込まれたことを、
そのまま伝えているだけなんだけどね。

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