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2015/04/23

介護保険制度改正で作業療法士は働きやすくなったはずだよね

遅れたけど,めがねOTさんtomoriくんに続いてリレー日記.
ゴルフには守るショートよりも攻めのオーバーという名言がある.
好きだけど,本文とは全く関係ありません.しかも未経験者です.



勉強して,挑戦して,いい結果が出たと思ったら,
同じ結果を残すために過程を振り返ってルールを探したい.
ルールに基づいた手順がマニュアルで,
ルールのメカニズムを明文化したものが理論(セオリー)になる.

理論を偶然や経験論,思いつきに依存せず,
信頼性と再現性の高めるため試行錯誤することを研究と呼ぶ.
研究を重ねて精度の高くなった理論に基づくマニュアルができた時,
より多くの人に使ってもらいたいと思うはず.
最も効果的で効率的な手段が,制度だと思う.

制度とは間違いが少ないことを期待されたマニュアルだが,
マニュアルを使う人と環境のことを,どこまで大目に見るかが難しい.
厳密に規定すると使える人は少なくなり,
規定を緩和しすぎるとマニュアルを作成した意味を失ってしまう.
認定看護師制度は優れているなとつくづく思う.

こういう視点で読み取れば,保険情報もドラマがあって面白い.



回復期リハ病棟が始まった10年以上前に,聞いた話がある.
「病棟にプラットホームを置いて骨盤の緊張を整える治療をやれば,
回復期リハ病棟加算を取れるよ.やることは訓練室と同じだよ」

「クリティカルパスの通りに動く義務があるから,
歩行できる人もベッド上で端座位保持の訓練をしているよ.
パスを作成した医者に気を遣わないといけないからね」

別の職場で働いているけど好きな先輩だったので思わず,
「職場を辞めるか,仕事を辞めるか.どっちか今すぐ選べ」
と言った自分が無礼で恥ずかしい.・・・と今なら少し思う.



生活行為向上という言葉が制度に採用され,
作業療法士が本来の業務に従事せざるえないシステムは,
日本OT協会の戦略と戦術がもたらした歴史的な改革だと思う.

揉み揉み,ホットパック,歩行=リハビリという偏った価値観の中で,
「目標なんて要らない,高齢者は触ってもらことが生きがいなの!」
と言われたことのある人なら歓声を上げたいと思うけれど,
経験知が警鐘を鳴らす.


加算を取れと言われて重圧を感じるセラピストに配慮しよう
と,すでに厚生労働省の議事録にも記載されている.
何をすればいいかわからない人たちがいる,とも読み取れる.

それはOTではない人の悩みかもしれない.
特養や通所介護の機能訓練員は看護師が7割以上を占めるし,
病院で働いた経験の長いPTは戸惑うかもしれない.

歩行訓練とマッサージと集団体操がリハビリと認識していれば,
社会参加レベルの支援を理解できない可能性がある.
まぁ,支援目標を社会参加にするのは職種に関係ないけれど.

そんな人たちは規定の講習会を受ければ加算を請求できると,
講習会に居眠りしながら参加し,以前と同じ仕事をするかもしれない.
監査で言い逃れる言葉を使って記録することに時間を費やすだろう.
防ぐためにはルールを厳しくするしかないのだけど,
使える人がいなくなってしまうという議論に戻ってしまう.



・・・遠回し過ぎて道が外れていきそうなので率直に言う.
作業療法士はこの機会をチャンスと読み取るか,
ピンチと感じるかは個人の勝手だし,他人が関与することではない.

チャンスだと感じている人だけに相談したい.
今ここで結果を残さないと次の改定の時に,
「目的は機能維持で,現実的に達成できない目標の支援をまだやってる?
君らは生活習慣や生きがいを支援できないんだね.他を当たるよ」
と言われることは確実.今動かなきゃ.できるだけ多くの仲間と一緒に.

同業者に気を遣いすぎてやらなくて後悔するよりも,
対象者にのめり込んでやり過ぎて怒られた方がいいよ.
準備してもらったコースは結果を残さなきゃ消える可能性があるから,
守るショートよりも攻めるオーバーですよ.


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