今日は日曜だけど事務所の日直当番.出勤してすぐに,隣接する高齢者専用マンションから「来て欲しい」と電話があった.何が起ったのか話すよう促すと,「寂しい」と返ってきた.事務所に足を運んでもらって15分ほど話を聴くと,「落ち着いた」と帰った.遠くの方で「本田がゴールを決めたー!」とテレビが叫んでた.
ボクがゴールを決めた状態とは何だろうと考えた.よく話を聴くことは大事だね,と完結するのはあまりに雑過ぎる.彼女と施設が抱える根本的な課題を明確にして,作業療法士の知識と技術を使って貢献できることを考えた方がいいのかな.この思考過程こそが,実習生へ最も大事に伝えるべきことだと思う.
tomoriくん,めがねOTさんの日記がおもしろかったので,リレーします.
近年,実習でレポートを課さない病院,施設が急増してきた.効率性と効果を考えると喜ばしい進展だけど.レポートを義務づけないことで問題解決したと思い込むセラピストがいないかと不安になる.教育方法は大事だけど,教育する内容ほどではない.その内容とは作業を大事にする実践で,OT協会や世界作業療法連盟も強調している.
教員だったころ,県外のベテラン実習担当者から「学生がICFでレポートを書きたいと言っているが,自分はICIDHしか知らない.病気が治ればADLが向上し,退院できるという考えでもイイか」と電話があった.「作業療法のことは私が教育しますので,病気のことだけ教えてください」と丁重に伝えながら,この人も葛藤しているんだろうなぁと思った.
作業を大事にする実践を学生に伝える上で難しいのは,自分がうまく実践できていないという自覚.今だってボクにもある.学生と望ましい結果を始めに共有してからスタートした方が効率よく教育できるけど,筋緊張ではなく習慣をターゲットにしているので思い通りにいかないこともある.でも,結果に辿り着くまでの過程で発見できることもある.
だからこそ,難しい,悩ましいと言いながら学生と一緒に考える.「釣りに行きたいって言ってたさね.じゃあ,連れて行こうかっていうと,それは違うじゃん.あの人が行きたい海に,行きたい時に,一緒に釣りがしたい家族や友人と行けるようにならないと支援にならないよね.でもさ,それって現実的かな.いや,オレが勝手に限界を決めてるだけかな,そもそも釣りである必要があるかな.いや,釣りじゃないとダメなのか.あぅあぅー迷うぅ.もっと本人から話を引き出して,家族からも情報集めたらゴールが見えるかもねぇ」と,一緒に考える.
習慣化を目的にする必要がない場合もある.ゴールがどのような形であれ,選択した理由に利用者と関係する人々にとっての価値がある.
「ボクら作業療法士は,特定の人々との関係の中で築かれてきた,個人的な意味と目的がある何かすることを作業と呼ぶ.作業活動で治療を行う人というよりは,相手が自分で作業ができるように支援する人なんだよ」こうして体験を通して学生に伝えることが,作業療法の強みを活かした臨床教育だと思う.
迷う時,自分と学生に伝える言葉がある.
「答えが見つけられないことは,苦しい.楽になりたければ,クライエントよりも自分が興味のあることに没頭すればいい.自分で考えずに他人から期待されているまま,訓練のための訓練をやればいい」
「楽しい!を手に入れたいなら,悩ましい!を覚悟しなくちゃ」
(支離滅裂な構成だなぁ.でもなぁ,考える過程をオープンにしようって書いた記事でもあるから,公開しちゃうか.無責任かなぁ.かわいいから許されるかな,そうだね)
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2014/06/15
2014/06/06
意思疎通が困難なクライエントと作業療法
4年前に就職した時,同僚の作業療法士から業務の申し送りを受けた.
特養ホーム利用者100人と通所介護利用者60人をマッサージ師,看護師と担当し,
作業療法士が入所と通所を合わせて毎月約40人分の機能訓練計画書を作成していた.
しかも,評価用紙は介護保険管理ソフト,Excel,ファイルメーカーで各々作成し,
3ヶ月毎に特養ホーム入居者の家族に計画書と同意書を手渡しながら面談していた.
20分前後の面談が100件近く入るので,その月は面談以外の業務はできなかった.
その合間も160人に対して機能回復のための訓練をマンツーマンで求められていたので,
「・・・・もしかして,影分身の術が使えるタイプですか?」
というのが就職初日に伝えた彼女への感想だった.
1ヶ月後,家族面談に参加してわかったことがあった.
家族は多くが50〜60代だったが,
「利用者さんの趣味は何ですか?」と尋ねても答えられない人が多いということ.
「親は家事と育児で忙しい人だった.趣味をやっている姿をみたことがないし,
家を出てからは親が自宅で何をして過ごしているのかよくわからない」と答えた.
なるほどねと納得したが,記憶の引き出しを探せば何か見つかるはずだとも思っていた.
「おひさしぶりです,リハビリテーションを担当している作業療法士です.
前回からの変化について報告しますが,その前に教えて頂きたいことがあります.
私たちは機能訓練を実施しますが,目的と目標がわかるようにしたいと思っています.
意思疎通が可能な方なら一緒に目標を決めることもできるのですが,
難しい場合は私たちが知識と経験を基に考えます.
でも,どうしても画一的なレクや訓練になってしまいがちで,不安になってしまいます.
関節の広がりや筋力が維持できたとして,それだけで良いのかなとも思います」
「機能回復が難しい場合もありますし,
私たちが提供する訓練というのも非常に短い時間です.
心身の機能維持は私たちの成果というよりは介護士の働きによるものです.
意思疎通が困難な方でも全員,毎食必ず車いすに乗ってもらうのは,
時間とエネルギーがかなり必要です.
ベッド上で栄養を注入する病院が多いですし,特養でも珍しいことではありません.
車いすに乗る機会があるからこそ,
関節と筋力と意識が保たれていると私は思っています」
「オムツで対応できることをトイレに誘導することも,
胃瘻で済むことを本人の能力を引き出しながら食事介助することも同じです.
このことは,よく覚えておいてください」
「それで保たれた身体的な機能を使って,頻度は少ないかもしれませんが,
本人だけの生活や人生に関係する機会を提供したいと全員が思っているわけです.
たとえば,個人的に思い入れのある場所や人と再び関係する機会を,
離したくないと願っています.
その機会のための機能訓練をしている,ベッドから離れた生活支援をしている,
と思えれば,私たちも不安なく継続することができると思うのです」
「本人と家族の期待する生活が必ず一致するとは限らないです.
でも,私たちが考える本人の希望よりは近いだろうという判断です」
「ということで,利用者さんの趣味は何ですか?」
「イメージが難しい場合は,ADOCのイラストを確認してください」
来週から特養ホーム入居者家族との面談が始まる.
分身の術をまだ習得できていないので,活動の規模と回数を一時的に減らすけれど,
それだけの価値はあると期待している.ここから始まる支援があるハズ.
特養ホーム利用者100人と通所介護利用者60人をマッサージ師,看護師と担当し,
作業療法士が入所と通所を合わせて毎月約40人分の機能訓練計画書を作成していた.
しかも,評価用紙は介護保険管理ソフト,Excel,ファイルメーカーで各々作成し,
3ヶ月毎に特養ホーム入居者の家族に計画書と同意書を手渡しながら面談していた.
20分前後の面談が100件近く入るので,その月は面談以外の業務はできなかった.
その合間も160人に対して機能回復のための訓練をマンツーマンで求められていたので,
「・・・・もしかして,影分身の術が使えるタイプですか?」
というのが就職初日に伝えた彼女への感想だった.
1ヶ月後,家族面談に参加してわかったことがあった.
家族は多くが50〜60代だったが,
「利用者さんの趣味は何ですか?」と尋ねても答えられない人が多いということ.
「親は家事と育児で忙しい人だった.趣味をやっている姿をみたことがないし,
家を出てからは親が自宅で何をして過ごしているのかよくわからない」と答えた.
なるほどねと納得したが,記憶の引き出しを探せば何か見つかるはずだとも思っていた.
「おひさしぶりです,リハビリテーションを担当している作業療法士です.
前回からの変化について報告しますが,その前に教えて頂きたいことがあります.
私たちは機能訓練を実施しますが,目的と目標がわかるようにしたいと思っています.
意思疎通が可能な方なら一緒に目標を決めることもできるのですが,
難しい場合は私たちが知識と経験を基に考えます.
でも,どうしても画一的なレクや訓練になってしまいがちで,不安になってしまいます.
関節の広がりや筋力が維持できたとして,それだけで良いのかなとも思います」
「機能回復が難しい場合もありますし,
私たちが提供する訓練というのも非常に短い時間です.
心身の機能維持は私たちの成果というよりは介護士の働きによるものです.
意思疎通が困難な方でも全員,毎食必ず車いすに乗ってもらうのは,
時間とエネルギーがかなり必要です.
ベッド上で栄養を注入する病院が多いですし,特養でも珍しいことではありません.
車いすに乗る機会があるからこそ,
関節と筋力と意識が保たれていると私は思っています」
「オムツで対応できることをトイレに誘導することも,
胃瘻で済むことを本人の能力を引き出しながら食事介助することも同じです.
このことは,よく覚えておいてください」
「それで保たれた身体的な機能を使って,頻度は少ないかもしれませんが,
本人だけの生活や人生に関係する機会を提供したいと全員が思っているわけです.
たとえば,個人的に思い入れのある場所や人と再び関係する機会を,
離したくないと願っています.
その機会のための機能訓練をしている,ベッドから離れた生活支援をしている,
と思えれば,私たちも不安なく継続することができると思うのです」
「本人と家族の期待する生活が必ず一致するとは限らないです.
でも,私たちが考える本人の希望よりは近いだろうという判断です」
「ということで,利用者さんの趣味は何ですか?」
「イメージが難しい場合は,ADOCのイラストを確認してください」
来週から特養ホーム入居者家族との面談が始まる.
分身の術をまだ習得できていないので,活動の規模と回数を一時的に減らすけれど,
それだけの価値はあると期待している.ここから始まる支援があるハズ.
2014/05/28
スペシャルな技術を持ったゼネリストになろう
竹林崇さんはスペシャルな技術を持ったゼネリストだった.上肢機能というよりは退院後の生活に焦点を当てているので,必然的にマネジメントを重要視していた.スペシャリストは職人で守備範囲は狭く,他の追随を許さない専門技術が絶対的な武器になる.ゼネリストはオールラウンドプレイヤーで,最低限の専門技術と高いコミュニケーション能力が武器になる.
医療ではスペシャリストが求められ,介護ではゼネリスト寄りのスペシャリストが,地域ではゼネリストが求められる,と個人的に思っていた.でも,竹林さんと話をしているうちに,領域に関係なく求められるのは,スペシャルな技術を持ったゼネリストだろうと考えるようになってきた.
急性期、回復期は病院完結ではなく、退院後の生活の質が高まるように求められている.今はまだ具体的ではないけど、これからは情報交換だけではなく、切れ目なく支援が提供できるよう、具体的な支援の内容についても求められてくるはず.筋緊張の程度やADLの介助量ではなく,生活に影響を与える支援の実践と報告が義務づけられるかもしれない.
また、通所施設においては単価が高くアウトカムについての算定条件が厳しい小規模短時間の機能訓練型、現在の通所介護施設における機能訓練加算Ⅱが標準的サービスの自立支援型、従来のサービス内容でレクリエーション型に機能分化されると思う.デイサービスとデイケアの違いについては医師の既得権益が関係してくるので,よくわからない.
このような環境の中で求められる専門性を考えた結果,経験年数や年齢に関係なく,作業療法士はスペシャルな技術を持ったゼネリストとしての役割を社会から期待されていくだろうと思う.まあ,作業療法士だけの話ではないかもしれないけど.
↑ 5時間の講義中に10分間の休憩があったけどその間も質疑が絶えず,疲れきっているはずなのに爽やかに手取り足取り教え伝える男
沖縄臨床作業療法実践研究会の主催で,2014年5月24日に兵庫医科大学の竹林さんによる上肢機能訓練の講習会を沖縄の大浜第一病院で開催した.参加者はPT2名,医師2名,OT90名という異例の参加者数だった.印象に残ったのは3点.
1.麻痺手の予後予測に対する正しい理解
2.行動変容を意識した機能訓練と細かな難易度調整
3.Transfer packageにおける問題解決技法の重要性
この3つは作業療法士の行動変容を促進する場合も有効な方法だと思い,自分が作業療法を提供されている気分になった.できないという思い込みから脱却するために根拠を追求,習慣的に行動できるという目標に向かうための細かい段階付け.そして,自分の中にある既存の価値観と新しい価値観のギャップを分析し,二者択一いうよりはベストな選択を模索する過程で得られる思考パターンの獲得.
「さぁ,君は何のために,誰のために,どう変わりたいんだ?どのような社会に変えたいんだ?どうやれば実現できると思う?実現したかどうかは何をもって判断する?目標が決まったなら確実にできることからまずやってみよう,それは君が決めたことだろう,変えると決めたのは君なんだろう」
と彼に言われている気がして,うぉぉぉお,おれはやるぞー!という気持ちになった.これこそが,スペシャルな技術を持ったゼネリストの技だなぁ.知識と技術を与えるだけではなく,行動変容できるようにマネジメントすること.どの領域,病期においても作業療法士に求められる専門性だと再確認できた.根拠もなく仮説の仮説をするなよと言われそうなので,ここまで笑.
医療ではスペシャリストが求められ,介護ではゼネリスト寄りのスペシャリストが,地域ではゼネリストが求められる,と個人的に思っていた.でも,竹林さんと話をしているうちに,領域に関係なく求められるのは,スペシャルな技術を持ったゼネリストだろうと考えるようになってきた.
急性期、回復期は病院完結ではなく、退院後の生活の質が高まるように求められている.今はまだ具体的ではないけど、これからは情報交換だけではなく、切れ目なく支援が提供できるよう、具体的な支援の内容についても求められてくるはず.筋緊張の程度やADLの介助量ではなく,生活に影響を与える支援の実践と報告が義務づけられるかもしれない.
また、通所施設においては単価が高くアウトカムについての算定条件が厳しい小規模短時間の機能訓練型、現在の通所介護施設における機能訓練加算Ⅱが標準的サービスの自立支援型、従来のサービス内容でレクリエーション型に機能分化されると思う.デイサービスとデイケアの違いについては医師の既得権益が関係してくるので,よくわからない.
このような環境の中で求められる専門性を考えた結果,経験年数や年齢に関係なく,作業療法士はスペシャルな技術を持ったゼネリストとしての役割を社会から期待されていくだろうと思う.まあ,作業療法士だけの話ではないかもしれないけど.
↑ 5時間の講義中に10分間の休憩があったけどその間も質疑が絶えず,疲れきっているはずなのに爽やかに手取り足取り教え伝える男
沖縄臨床作業療法実践研究会の主催で,2014年5月24日に兵庫医科大学の竹林さんによる上肢機能訓練の講習会を沖縄の大浜第一病院で開催した.参加者はPT2名,医師2名,OT90名という異例の参加者数だった.印象に残ったのは3点.
1.麻痺手の予後予測に対する正しい理解
2.行動変容を意識した機能訓練と細かな難易度調整
3.Transfer packageにおける問題解決技法の重要性
この3つは作業療法士の行動変容を促進する場合も有効な方法だと思い,自分が作業療法を提供されている気分になった.できないという思い込みから脱却するために根拠を追求,習慣的に行動できるという目標に向かうための細かい段階付け.そして,自分の中にある既存の価値観と新しい価値観のギャップを分析し,二者択一いうよりはベストな選択を模索する過程で得られる思考パターンの獲得.
「さぁ,君は何のために,誰のために,どう変わりたいんだ?どのような社会に変えたいんだ?どうやれば実現できると思う?実現したかどうかは何をもって判断する?目標が決まったなら確実にできることからまずやってみよう,それは君が決めたことだろう,変えると決めたのは君なんだろう」
と彼に言われている気がして,うぉぉぉお,おれはやるぞー!という気持ちになった.これこそが,スペシャルな技術を持ったゼネリストの技だなぁ.知識と技術を与えるだけではなく,行動変容できるようにマネジメントすること.どの領域,病期においても作業療法士に求められる専門性だと再確認できた.根拠もなく仮説の仮説をするなよと言われそうなので,ここまで笑.
2014/05/08
臨床実習生の君たちへ
学校では覚えろと言われて,臨床では考えろと言われるよね.
まずやってごらん,とよく言われるでしょ.
行動を観察しなければ,課題と強みがわからないからだよ.
学校で習ってませんって答えると,あきれた顔をされるでしょ.
習ったかどうかなんて,どうでもいいんだよ.
まずやってみること.やってくれたら修正できるよ.
サッカーとかギター,車の運転,料理と同じことね.
ミスをしない完璧なやり方を頭で覚えるまで実践しません,
なんて宣誓する後輩や新人バイトがいたら,ローキックしたいでしょ.
それから,ホウレンソウをちゃんとしろって言われるよね.
野菜のことじゃないんだよ,報告・連絡・相談のこと.
何を,どのように,どれくらいの頻度でやればいいの,と迷うでしょ.
何かをする前に必ず意見を伺いに来いと言われたり,
イチイチ細かいこと聞きにくるなとか言われるよね.
マニュアルをくれって思うでしょ・・・ないんだよ.
空気とか距離感なんだよね.伝えにくい感覚なんだ.
場の雰囲気とか好みもあって,ファッションに似てるね.
社会にもおかしな大人はいるから,大目にみるよ.
その態度と発言にイラってする人がいるかもよ,くらいは伝えるさ.
ボクらは君らの良いことは伝えやすいけど,
修正した方がイイかもしれないことって伝えにくいんだよ.
人を傷つけるかもしれない言葉を口にするのって,ストレスなんだよねぇ.
君らに率直な助言をする人がいたら,本気で応援してくれる人だよ.
たまに空気が読めないだけの人もいるけど,少ないよ.
助言したとしても全部は伝えきれないから,行間から推し量って.
・・・ボクらだって色々と悩ましいんだ.
決定権と手当はないのに管理業務っぽいデスクワートと会議はあるし,
家に帰れば子供に早くご飯を食べろ,宿題やれと7回は言わなきゃいけない.
だからといって,ボクらの状況と心情を察してくれ,とは言わない.
でもね,心ここにあらずという顔をしている日があったら,
誰かの部下であり,親でもあると想像してみて.ただの人なんだよ.
臨床の教育を担当するボクらは,教育学を知らない.
個人差が大きくて,教え育てることがヘタクソな人もいるし,上手な人もいる.
実習担当はイヤだとグチる人も,仕事と同じくらい情熱を注ぐ人もいる.
君らがゆとり世代とか最近の若者って言葉でひとくくりにされて,
価値観や行動原理を薄っぺらく分析されたら,ムカつくでしょ.それと同じね.
実習を担当している人に期待し過ぎたり,必要以上には不信に思わないでくれ.
ボクらは実習生だった頃が必ずあるから,君らの不安は体験として知っている.
他の道に進んだ友達と違って,試験と課題と自分に向き合う試練ばっかりだね.
でもね,きれいごとじゃなくて,ほとんどは長い目でみればムダにならないよ.
自分と向き合う経験の厳しさに共感できているからこそ無償で,
うまく言葉にできないまま応援しているんだよ.
心の中では,ガンバレって言っている,聞こえるかい,ガンバレーー!ってね.
最後にもうひとつ
この本はね,純粋に君たちのために,
多くの先輩たちが気持ちと能力を合わせて創ったんだよ.
みんな,心から応援している.
医学書院で立ち読み
まずやってごらん,とよく言われるでしょ.
行動を観察しなければ,課題と強みがわからないからだよ.
学校で習ってませんって答えると,あきれた顔をされるでしょ.
習ったかどうかなんて,どうでもいいんだよ.
まずやってみること.やってくれたら修正できるよ.
サッカーとかギター,車の運転,料理と同じことね.
ミスをしない完璧なやり方を頭で覚えるまで実践しません,
なんて宣誓する後輩や新人バイトがいたら,ローキックしたいでしょ.
それから,ホウレンソウをちゃんとしろって言われるよね.
野菜のことじゃないんだよ,報告・連絡・相談のこと.
何を,どのように,どれくらいの頻度でやればいいの,と迷うでしょ.
何かをする前に必ず意見を伺いに来いと言われたり,
イチイチ細かいこと聞きにくるなとか言われるよね.
マニュアルをくれって思うでしょ・・・ないんだよ.
空気とか距離感なんだよね.伝えにくい感覚なんだ.
場の雰囲気とか好みもあって,ファッションに似てるね.
社会にもおかしな大人はいるから,大目にみるよ.
その態度と発言にイラってする人がいるかもよ,くらいは伝えるさ.
ボクらは君らの良いことは伝えやすいけど,
修正した方がイイかもしれないことって伝えにくいんだよ.
人を傷つけるかもしれない言葉を口にするのって,ストレスなんだよねぇ.
君らに率直な助言をする人がいたら,本気で応援してくれる人だよ.
たまに空気が読めないだけの人もいるけど,少ないよ.
助言したとしても全部は伝えきれないから,行間から推し量って.
・・・ボクらだって色々と悩ましいんだ.
決定権と手当はないのに管理業務っぽいデスクワートと会議はあるし,
家に帰れば子供に早くご飯を食べろ,宿題やれと7回は言わなきゃいけない.
だからといって,ボクらの状況と心情を察してくれ,とは言わない.
でもね,心ここにあらずという顔をしている日があったら,
誰かの部下であり,親でもあると想像してみて.ただの人なんだよ.
臨床の教育を担当するボクらは,教育学を知らない.
個人差が大きくて,教え育てることがヘタクソな人もいるし,上手な人もいる.
実習担当はイヤだとグチる人も,仕事と同じくらい情熱を注ぐ人もいる.
君らがゆとり世代とか最近の若者って言葉でひとくくりにされて,
価値観や行動原理を薄っぺらく分析されたら,ムカつくでしょ.それと同じね.
実習を担当している人に期待し過ぎたり,必要以上には不信に思わないでくれ.
ボクらは実習生だった頃が必ずあるから,君らの不安は体験として知っている.
他の道に進んだ友達と違って,試験と課題と自分に向き合う試練ばっかりだね.
でもね,きれいごとじゃなくて,ほとんどは長い目でみればムダにならないよ.
自分と向き合う経験の厳しさに共感できているからこそ無償で,
うまく言葉にできないまま応援しているんだよ.
心の中では,ガンバレって言っている,聞こえるかい,ガンバレーー!ってね.
最後にもうひとつ
この本はね,純粋に君たちのために,
多くの先輩たちが気持ちと能力を合わせて創ったんだよ.
みんな,心から応援している.
医学書院で立ち読み
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