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2012/01/29

あきらめることをきめる

何を読んだらいいですかと実習前の学生に問われたら、
江國香織、中島らも、重松清、村上春樹の本と答える。
まじめに教えていたんだけど、誰も本気にしなかったね。




いくつもの葛藤を経た上で退学を選択しようとする学生、
職場を辞めることを選択しようとする作業療法士に、
伝えようとしてきたことがある。

まず、山田ズーニーの「たった3円の意志」を読んでもらう。


生きることが苦しいほど悩むなら、次のステージに行けばいい。
生きることへの希望よりも執着するべきことは、ないでしょ。

置いてゆくことで失うことは、取り戻せないことも、
時間が経てば違う形で取り戻せることもあるけど、
その時になればそんなに大切なものじゃないかもしれない。


君がこわいのは、向き合わなかった自分と向き合うこと。
それなら、向き合うこともどこかに置いていけばいい。
そうしてしまっても、命が危険になることはない。

君がこわいのは、大切な人々から失望されること。でも、
彼らは君が苦しみを置いてけぼりにしても、君を見捨てない。
君が彼らの立場なら同じ選択をするはず。


違う道を選択する時に、大事なことがひとつだけ。
苦しいから辞めるのではなくて、
希望があるから次に進むと思い込むこと。

いつになるかわからないけど、後になってから君は、
逃げた自分というレッテルを一生懸命に貼ろうとする。
そいつは、頑固で偏屈なやつだから、
現れないように準備をしてたらイイ。まじめに話し合う必要なし。

ふさわしい時期が訪れたら、
苦しいことに面会する許可を、自分で出してあげたらいい。

その時になって初めて、
いまの経験がその時の君に何かの力を与えるかも。
それまでは向き合う必要はあんまりない。
ふさわしい時期は必ず、向こうから自分で歩いてくる。

もし、あきらめきれないことがあるなら、
立ち止まって今の場所でどうにかしたらイイ。
それもいい。自分で決めたなら、それがいい。




泣かないで恋人よ.THE BLUE HEARTS

あきらめきれぬことがあるなら
あきらめきれぬと
あきらめる
あきらめきれぬことがあるなら
それはきっといいことだ

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