さて,転倒予防体操を始めましょう.その前に,いつもの話です.
ボクは週に一度だけ体操の担当をしていますが,
これから伝えることは毎日の体操に関係することです.
まずはじめに伝えることは,
15分の体操だけでは生活は変わらない,ということです.
15分がんばったとしても,1日には残り23時間45分あります.
その時間に身体を使わなければ,体操の効果はありません.
体操は主体的に参加する活動とセットです.
午後にみなさんが参加している活動がその役割を担っています.
ね,職員さんたち,でしょ?・・・ほらね.
今からやる体操は,手工芸や園芸や絵画と関係してます.
つながりをイメージしながら体操してください.
毛糸に手を伸ばすための,鉢を持って運ぶための体操です.
通所だけではなく,自宅での生活にも関係します.
台所で料理をするための,洗濯物を運ぶための体操です.
趣味や家事が体操と同じような効果があるという考え方です.
必要性を感じた自分の意志が動かす,
手と頭と心が,自分の健康に貢献するのです・・・おそらく.
それだけではありません.
みなさんがADOCでやってみたいと話した,
趣味や家事ができるようになることも大事です.
私たちは転倒しないために,生きているわけではありません.
会いたい人やする必要のある役割ができることを,
大切だと思っています.ADOCの面接の時に,語っていましたよね.
リハビリテーションとは筋力の向上というイメージがあるようですが,
本来は,状態や状況に合わせて適応する,
自分らしく生きる,という意味です.
自分らしい生活,というのはみなさん自身が知っています.
体操だけではなく,やりたいこと,困っていることを,
より安全に,効率的に,なるべく1人でできる方法を一緒に考えましょう.
それも私たち職員全員の支援だと考えてください.
もちろん,活動だけで筋力を維持するのは難しいです.
活動と体操がセットになっていると考えてください.
活動のための体操だということを,いつも意識してください.
午後の活動や自宅での生活を,
イメージしながら体操を始めましょう.
・・・あ,その前にもうひとつ.
みなさんはそれぞれ年齢,性別,体重,骨折の経験,体力,筋力が,
バラバラです.まったく同じという人は,おそらくいません.
ですから,運動する回数や時間は他人とそろえる必要はありません.
ちょうどよい運動量は体調によっても変わることもあります.
自分に合わせた運動量を,自分で判断して決めてください.
ここで測定する血圧や脈も必ず自分で把握してください.
自分の健康に関係する運動,活動は,必要以上に職員へ任せず,
自分でコントロールしてください.
あなたの身体のことです.
あなたの人生と身体は,あなたのものです.
科学的に証明できていない内容もありますが,大きくは間違っていません.
私たちはみなさんが自分で健康をコントロールできるように,
みなさんが選択した活動ができるように支援したいのです
・・・ですよね,職員さん.
あ,体操の時間が過ぎましたね.
もう終わっていいですか?・・・どうやらダメらしいです 笑
健康と体操について考え方を見直すだけでは,十分ではないようです.
さて,体操を始めましょうか.あ,そういえばもう二つ.
「葉っぱビジネス」と「運動学習と意思決定」の話です.
・・・時間がない?・・・そうですか.じゃあ,次の機会にでも.
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