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2011/06/01

作業療法の問い Question of Occupational Therapy

Q.作業に焦点を当てた作業療法を主張するのはなぜですか?

A.十分に実施していない作業療法士が多いと予測しているからです。

Q.手芸や積み木重ねなど作業活動は提供していますが、それは作業療法ですか。

A.手芸や積み木重ねが手指機能、認知機能の改善だけを目的としたものであれば、作業療法の専門知識を活かした支援といえるか疑問があります。

Q.手芸などの作業活動を行わせることが問題なのですか。

A.機能回復だけが目的である場合は、作業療法と呼べるか疑問があります。

Q.それでは作業療法とは何ですか。

A.たとえば、手芸をすることによって自分らしさを取り戻そうとしたり、作品がつながりたい人と本人を結びつける場合は作業療法だと思います。(ちょっと説明不足だけど省略)

Q.つまり手段と目的が違うということですか。

A.そうです。作業活動は手段で、役割再獲得や自分らしさを取り戻すことが目的です。

Q.それはどうやって判断するのですか。

A.クライエントに確認することで判断できると思います。

Q.患者さんが疾患や症状のために自分の意思を表出できない場合は、どうやって判断するのですか。

A.2つのことを考えます。家族やカルテから患者さん、利用者さんの文脈を辿り、何を期待しているのかを想像します。もう1つはクライエントの定義を考え直すことです。つまり、共に暮らす人々をクライエントとして判断し、彼らが患者さん、利用者さんにどうなって欲しいのか、あるいは自分が支援者としての役割をどのように獲得したいのかを確認します。それは結果的に患者さん、利用者さんの満足度を高める可能性が高いと考えているからです。

Q.はじめの質問に関係しますが、機能が完全に回復すれば患者さんのやりたいことが実現できると予測した場合、機能回を目的とした手工芸や運動療法だけを提供することは患者さん中心の作業療法だと言えませんか。

A.心身機能が完全に元に戻ると予測できる場合は、クライエント中心の作業療法だと言えるかもしれません。そうではないのであれば、それは作業療法士が中心の作業療法だと思います。

Q.人は作業をすることで健康になると主張していますが、根拠はありますか。また、作業をしないことで不健康になるという根拠はありますか。

A.厳密に言えば、私は知りません。しかし、作業をしないことで不健康になるという根拠がないという理由で、作業することを支援の目標としないことは正当化できないと思います。このまま進めると悪魔の証明ごっこになるので、ここまでにします。

Q.作業療法は何でもできる、必要があれば何でもやるという考え方だけでは不十分ですか。

A.あなたがそれで十分だと思うなら、それでよいと思います。手段として知識、技術を何でも活かすという意味であれば同意できます。しかし、作業療法ではなく個人的見解として伝えた方がよいと思います。なぜなら、私はその考えで作業療法を説明するのは不十分だと思うからです。

Q.それでは、あなたが考える作業療法は?

A.また今度ゆっくり。

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