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2011/06/19

特養ホームのOTとADOC ADOC and OT and nursing home

先日、沖縄の特養ホームに所属する機能訓練員部会の研修会で、講師を担当させていただいた。参加者はほとんどがベテランと呼ばれるほどの年齢で、半分はPTとOT、半分は看護師や介護士だった。



これまで出会った特養ホームのOTは、機能訓練に専従するか、レクに専従するかに二分されていました。機能訓練に専従しているOTはレクをやらなければと焦り、レクに専従しているOTは機能訓練をやならければと焦っているみたいでした。でも大切なことは、何をやるかよりもなぜやるのか、だと思います。

「実現可能なできるようになりたい何かすること」が明確でなければ、結局は同じように悩むだけだと思います。本当にクライエントにとって何か役に立っているだろうか、他の職種のお手伝いをしているだけじゃないかと、不安になると思います。「何かすることに焦点を当てた目標」を明確にして支援をすることは、クライエントだけではなくOTにとっても自分が望む自分らしさに近づくための手助けになるんじゃないかと思っています。それはOTだけではなく、PTもSTも柔道整復師も介護士も看護師も同じだと思っています。

名前を伏せたら誰だかわからない計画書を書いて、不安を抱くのは私だけでしょうか。そうじゃないと思います。私たちが病院に勤めていれば、機能回復を目標にすることは、時に正しい選択だと私も思います。でも、どんなにがんばっても完全に正常になるわけでもなく、身体機能の低下を永遠に完全に予防できるわけではありません。

私は、入所して初めてのカンファレンスで本人と家族に伝えています。

「機能訓練を続けても、完全に機能の低下を防ぐ事は困難です。週に2回、1回で15分程度の機能訓練よりも、残りの23時間45分、週に5日間の過ごし方が大切です。その点は、介護士に任せてください。必要以上に介護をしない仕事をしています。この点は私が保証します。こんな説明をする私は、機能訓練がやりたくないわけではありません。確かな必要性があれば、必要なだけ提供します。しかし、もっと価値のあることに時間とエネルギーを費やしてもいいんじゃないかと思っています」と伝えています。

あきらめたことを、できるようにするための支援は、実現できると思います。その支援を私たちが全員に、毎日、提供することは現実的ではありません。しかし、身体と精神の能力がある程度あれば、本人が自分の意志と身体を使って日常的にできるようになるかもしれません。いわゆる寝たきりの方でも、家族がその支援をできるようになるかもしれません。もちろん、私たちも週に2人くらいであれば、業務に支障なく実施できるはずだと思います。




毎日、関節を動かす事が、体操をすることが、レクリエーションをすることが、絵画や手芸をすることが、ムダとは言いません。でも、それは提供して効果がある場合に限ってもよいのではないかと思っています。そうでなければ、いつか必ず私たちは迷います。

仕事をやるほどに、苦しい思いをする支援者がいるのは、良いことだとは思えません。あきらめることを暗に強制される高齢者がいることは、良いことだとは思えません。互いの望む自分らしさに近づけるための、仕事のやり方があるはずだと思います。

それは、目標をはっきりさせることです。目標をはっきりさせるためには、聞く人の技術と、聞かれる人の能力がある程度は必要です。もちろん、他にも難しい理由もあります。ただし、この2点については、解決するための方法を1つ私は知っています。




それが、作業選択意思決定支援ソフト、ADOC(エードック)です。

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